まずはデータを見てみよう。スケジュール調整サービス「Doodle」が英国、米国、ドイツ、スイスの社会人6500人を対象に最近実施したこのアンケート調査では、回答者の76%という圧倒的多数が直接対面式のミーティングを好む結果となった。2番目は電話会議(7%)、3番目はビデオ会議(5%)、4番目はSlackなどのインスタントメッセージ(IM)による会議(4%)となっている。
情報豊かな環境
では、対面ミーティングがこれほど人気なのはなぜか。経営者や従業員の目線で、電話会議やIMなどと比べた対面ミーティングの性質を分析すれば、答えは明白だ。
対面ミーティングは、より強固で情報の多い環境だ。相手がたとえ発言していなくともその反応をうかがい知ることができるし、話をポイントに沿って進むべき方向に進めやすく、その場の雰囲気を計ることもできる。
ノースカロライナ大学のスティーブン・ロゲルバーグ教授(経営学)は、この調査結果に対するコメントとして、「テクノロジーのおかげで遠隔ミーティングはますます簡単になっているのは良いことではあるが、人々が集まって対面で会うことには、特別な力がある。言語的、非言語的な手がかりが豊富なため、コミュニケーションがより豊かでニュアンスに富んだものになりやすい」と記している。
もちろん、対面ミーティングの時間を取れないことも多々あるだろうし、遠隔勤務のために実現が不可能な場合もあるだろう。別のミーティング形式の方がずっと実用的なこともある。
だが、この調査で分かるのは、対面ミーティングが持つ相対的な親密さには、何らかの価値があるということだ。ミーティングがうまく行われれば、より深いレベルのコミュニケーションと理解が得られ、全ての参加者にとって有益なものとなるだろう。