ビジネス

2019.03.06 15:00

「これからは下の世代に恩送りをしたい」──創業から4年弱、イグジットを果たした女性起業家は次なる道へ

サイバーエージェント代表取締役社長の藤田晋(左)と、Coupe代表取締役の竹村恵美(右)


「これからは私も、若手に恩送りしたい」
advertisement

今回、Coupeはサイバーエージェントのグループに入るものの、会社の代表権は引き続き竹村がもつ。あまり類を見ないケースだが、実は竹村とサイバーエージェントはとても深い関係だ。

竹村が「Coupe」を始めたのは、モデル探しに困っていた美容師の友人を助けるためだったという。そこからサービス開発を通じて多くのベンチャー経営者や、エンジニアとの親交を深め、大学入学時の志望だったアナウンサーから進路を大きく変更。

その時に内定したのが、サイバーエージェントだ。内定者インターンとして働いていた経験もあり、社内のメンバーとも密接に関わっていた。しかし、自分のサービスを成長させるために内定を辞退。会社設立に踏み切った。
advertisement

その後も、2015年2月にサイバーエージェント・ベンチャーズ(CAV)から出資を受けるなどサイバーエージェントとは友好な関係を築いてきた。今回の提携は、そんな深い間柄があったからこそだと竹村は話す。

「『COUPE MANAGEMENT』のモデルたちをより理想の将来に近づけることができると考え、グループ入りを決めました。サイバーエージェントの組織や人のことはよく知っていたので、彼らとなら安心して協力できると考えています」


Coupe所属のインフルエンサーたち

今後は、サイバーエージェントのメディアへのインフルエンサーの出演など、サイバーエージェントの広告事業とCoupeがもつインフルエンサーのリソースを掛け合わせていく。メディアやSNSで幅広く活躍できる個人を増やし、「21世紀を代表するエンタメ組織をつくる」と竹村は言う。

一方、今回の出資についてサイバーエージェントの広報は、「若手経営者の応援という藤田ファンドの目的や、Coupeのサービスと当社のグループ事業との連携がCoupeの拡大にとって有効だと考え、今回の出資・グループ化に至りました。サイバーエージェントにおけるインフルエンサー事業という文脈は今回はありません」とコメントした。

サイバーエージェントと厚い信頼関係がありながらも起業家として挑戦を続ける竹村は、藤田ファンドの目的である「応援すべき若手」として、まさに適任だったはずだ。

最後に、竹村に個人としてのこれからの展望を聞いた。多くの人との縁によってここまで進んできた彼女の目標は、自分も同じように多くの人を助けることだという。

「当時、何者でもなかった私は、個人で投資してくださった方や、ビズリーチ取締役の竹内真さんやエンジェル投資家の中川綾太郎さんなど先輩起業家の方々に大きく助けていただきました。これからは私もその立場として、エンジェル投資などの活動を通じて若手に恩送りできればと思います」

文=野口直希 写真提供=Coupe

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事