キャリア・教育

2019.03.06 12:00

一部の人が変化を受け入れられない理由


スピルバーグの変化への抵抗は、ウェブサイト上だけで発行される新聞は新聞ではないと主張する一部の新聞編集者の姿勢と同じものだ。モノが創造される際の技術的環境は、そのモノの良し悪しとは全く関係ない。ネットフリックスやアマゾンが制作した映画は、映画館で上映されないから「映画」ではないという主張はナンセンスであり、ハリウッドによる映画産業支配に脅威をもたらす新興企業に対する恐怖心を反映しているだけだ。

こうした変化への抵抗に似たものに、子どもが親と同じ教育を受けず、同じおもちゃで遊ばず、同じの方法でコミュニケーションをとらなければ、何らかの依存症や病気を抱えているのだとする主張がある。変化への恐怖の現れ方はさまざまだが、それはほぼ常に、今自分が知っていると思い込んでいることや、支配している産業、あるいは単に人間としての性質に関係している。

私たちの置かれた環境は変化しており、その変化は技術により促進されている。私たちは、人間や動物は継続的な環境の変化に適応できるし、何千年も適応してきたことを理解しなければならない。歴史から学べることがあるとすれば、変化への恐怖は当たり前のものだが、その恐怖には理性的に対処しなければならないということだ。

編集=遠藤宗生

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