資産としてのハイジュエリー 世界の名門6ブランドの場合

ブルガリ「ワイルドポップ」

ダイヤモンドは女の子の最高の友達……というが、いまはジュエリーを買っているのは女性たちだけではない。超級ハイジュエリーが、「資産として」も熱い視線を集めている

今回は6つのトップジュエラーの至極のコレクションを紹介しよう。

HARRY WINSTON /
The New York Collection

ブランド創始者ハリー・ウィンストンが生きた、古きよき時代のニューヨークをテーマにした最新コレクション。その白眉ともいえるネックレスは、かつて彼が扱った最高級の宝石を思わせる、大粒のエメラルドが目に鮮やかだ。色みが均一に合い、しかも透明感のある上質なエメラルドをこのサイズで揃えられるのは、名門ハリー・ウィンストンの実力あってのこと。


「カテドラル」ネックレス。プラチナ950、18Kイエローゴールド、ダイヤモンド(計約46.82カラット)、エメラルド(計約65.63カラット)。価格は問い合わせを。ハリー・ウィンストン クライアントインフォメーション 0120-346-376

よく見るとダイヤモンドの部分は白いプラチナ950で留められ、エメラルドはその色を引き立てるようにゴールドでセットされている。シンプルながら細部にこだわり抜いたこのデザインは、創始者が執務室から毎日ながめていたマンハッタンのセントパトリック大聖堂の壮麗な建物をイメージしているという。

<BRAND HISTORY>
1932年創業。本店はニューヨーク5番街718番地。創始者ハリー・ウィンストンは天才的な才能で数々のレアストーンを扱い、世界各国の王侯貴族や大富豪、ハリウッドスターたちを顧客とした。彼がわずか12歳のとき、質屋のがらくたの中から2カラットのエメラルドを見つけ出し、25セントで購入して800ドルで売ったという逸話がある。

CARTIER / Coloratura

ソプラノで多彩な旋律を歌い分ける高度なテクニック「コロラトゥーラ」をコレクション名に冠し、めくるめく色彩の宝石で世界の多様性を描き出したカルティエ。「ヨシノ」と名づけられたこのネックレスは、桜の名所として名高い吉野山での花見の宴をイメージしたものだ。


「ヨシノ」ネックレス。18Kホワイトゴールド、ダイヤモンド、モルガナイト(計55.18カラット)、オパール(計8.13カラット)、トルマリン、ピンクサファイア。1億4000万円(参考価格)。カルティエ カスタマー サービスセンター 0120-301-757

センターにあしらわれたピンクの大きな宝石は、透明感の高いモルガナイト。周囲にはレッドやブルー、グリーンなど多彩な色が浮かび上がるオパールを配している。胸元に下がるパーツは取り外すことができ、付属のチェーンにつけてペンダントとしても着用可能。3パターンにトランスフォームし、ドレスに合わせてさまざまに楽しめる凝った仕立ては、カルティエの得意とするところでもある。

<BRAND HISTORY>
1847年創業。本店はパリのラペ通り13番地にある。20世紀初頭、英国王エドワード7世が「王の宝石商であり、宝石商の王である」とカルティエを讃えたことで知られる。ロバート・レッドフォードが主演した1974年版の映画『華麗なるギャツビー』に登場するジュエリーも、すべてカルティエ。多数の著名人に愛された老舗ジュエラーだ。

VAN CLEEF & ARPELS / Contes d’Hiver

コレクション名の「コントゥ ディヴェール」とは、フランス語で冬物語という意味。アール・デコ期や1950年代、60年代にかけて風靡した「ホワイト ハイジュエリー」のトレンドを、ヴァン クリーフ&アーペルは豪奢に再解釈してみせた。雪の結晶のモティーフをあしらったこのリングは、ダイヤモンドのクオリティが群を抜く。


「フロコン ド ディアマン アントレレ ドア」リング。18Kホワイトゴールド、18Kピンクゴールド、エメラルドカットダイヤモンド(Dカラー、フローレス、タイプⅡa、8.03カラット)、ダイヤモンド。1億7730万円(参考価格)。ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク 0120-10-1906

白くきらめくエメラルドカットの大粒ダイヤモンドは、完全に無傷、無色と鑑定された最高級品。しかも元素レベルで不純物を含まない、極めて純粋な「タイプⅡa」と呼ばれるダイヤモンドなのだ。品質もさることながら、立体的なデザインや優れた職人技による仕立てなど、さまざまな面で深い満足感を与えるリングになっている。

<BRAND HISTORY>
1906年、ヴァン クリーフ家とアーペル家によって創業。本店はパリ、ヴァンドーム広場22番地。宝石を留める爪が見えない超絶技巧「ミステリーセット」で知られる実力派。67年、当時のイラン皇室から皇妃の戴冠式のための宝飾品一式の制作を依頼され、門外不出の宝石を使って壮麗な王冠を仕立て、世界に名をとどろかせた。
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text & edit by Keiko Homma

この記事は 「Forbes JAPAN 世界を変えるデザイナー39」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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