33回目となる今年のランキングでは、保有資産額10億ドル以上で番付入りを果たした「ビリオネア」は2153人と、昨年の2208人から減少。資産総額も、昨年の9兆1000億ドルから8兆7000億ドルへと減少した。この二つが減少に転じたのはここ10年で2回目で、前回は2016年だった。
前年から資産を減らした人の数は、昨年にはわずか360人だったが、今年は994人と過去最多を記録した。今年のビリオネアの平均資産額は40億ドルで、昨年の41億ドルから減少。たたき上げの富豪は1450人となった。
フォーブスのルイサ・クロール副編集長(富豪担当)は「ビリオネアのランキングは、世界の大富豪でさえもが経済の力と世界市場の流動性には逆らえないことを証明している。だが、強烈な向かい風の中でも、機略に富み容赦のない起業家たちは、富を得る新たな方法を見つけている」と指摘。
同じく富豪担当副編集長のケリー・A・ドランは「今年は、中国勢が多数姿を消したほか、ドルに対するユーロの下落によって欧州勢の資産額のドル換算での価値が低下した」と解説する。
常連の順位はどう動いた?
ベゾスは今年、アマゾン・ドット・コムの株価上昇により保有資産額を増やし、2位との差を2001年以降で最大にまで広げた。2位に入ったのは、かつてランキング史上最も長期にわたり首位に君臨したビル・ゲイツで、その保有資産額は昨年の900億ドルから965億ドルへと増加した。
3位はウォーレン・バフェット。資産総額は前年比15億ドル減の825億ドルだった。4位は昨年に引き続きベルナール・アルノーで、資産総額は前年比40億ドル増の760億ドル。アルノーは2年連続で欧州一の富豪となった。
5位はメキシコの通信王カルロス・スリム・ヘルで、昨年から資産総額を30億ドル減らしたにもかかわらず、順位では2位の上昇となった。フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は保有資産額を87億ドル減らし、順位を3つ後退させて8位に転落した。
カイリー・ジェンナーは今年、最年少の21歳で初のランキング入りを果たし、たたき上げの富豪としては史上最年少でビリオネアの仲間入りを果たした人物となった。ジェンナーが所有する化粧品企業カイリー・コスメティクス(Kylie Cosmetics)は昨年、売上高が3億6000万ドルに達したと推定されている。
同社の売り上げの大半はインターネット販売によるものだが、化粧品販売チェーン、アルタ・ビューティーとの新たな契約により、同チェーンが米国に展開する実店舗1163カ所のすべてで商品が販売されることとなった。