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0歳からの「お金の話」


これは知人から聞いた話だが、子どもと外食する際、普段から食べたいと言ったものを注文してあげていたそうだ。ある日、いつものように外食をした際、今日は食べ放題コースにしようと言ったところ、「いつも食べ放題コースなんじゃないの?」と言われたという。普段から食べたいものはなんでも頼んでもらえていたので、子どもにとっては事実上毎回食べ放題コースのように感じていたのだろう。

やはり、モノには全てそれぞれ値段があるという認識を持たせなくてはいけない。そのような経験が筆者にもあり、それ故にモノを買ってあげる時は、極力現金を渡して、その中で自分で好きなモノを買うようにさせている。

金融教育には経済学の概念を

残念ながら我が国日本においては、金融教育といっても、スタンダードになるような教育カリキュラムもなく、現状では一部の民間企業や個人、または関係省庁がスポットでセミナーや授業をやる程度である。それ故、それぞれで教えている内容はバラバラであるが、筆者は少なくとも金融教育には経済学と会計の2つがベースにあるべきだと考えている。

今回は2つのうち経済学をベースとすべき理由について書いてみたい。経済学と一言で言っても内容は多岐にわたるが、いくつかの上位概念のうちの1つに、限られた予算の下でいかに効用を最大化するように動くかというものがある。人間の欲望は無限であるが、自分の持つ資金は有限であるため、その予算制約があるなかでいかに満足度を最大化するかということである。

前述した筆者の子どもが買い物先でとった行動こそが、まさにこれにあたるだろう。モノには値段があり、自分がこれまでに貯めてきた貯金と毎月のお小遣いには上限がある。そのような条件下において、いま欲しいものを探して買うのか、それとももう少し我慢して欲しいものが買えるまでは買い控えるのか。このような金銭感覚を幼い頃から持つことが非常に重要になるだろう。

豚の貯金箱が教えてくれること

現金でお小遣いを渡し続けている理由は他にもある。我が家では毎月2回、お小遣いを子どもたちに与えているが、お小遣いはいったん各自の豚の貯金箱に入れている。

お小遣いをあげるタイミングでは子どもたち全員が豚の貯金箱を持ってくるので、筆者が現金を手渡し、目の前で貯金箱に入れるのだが、ある時から豚の貯金箱がそれなりに重くなってきた。すると、子どもたちは貯金箱の重さから、お金がある程度貯まってきたことを実感した。

そして、いざ使う時にお金を取り出すと、再び貯金箱が軽くなったことを実感した。時間をかけて貯めることの大変さ・重要さと、使う時は一気に無くなってしまうことのあっけなさを感じただろう。

必ずしもお金は数字だけで教えるものではなく、このように手触りや、持った時の重さでも教えることが出来る。それ故に、我が家では依然として現金主義を貫いているのである。

連載 : 0歳からの「お金の話」
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文=森永康平

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