キャッシュレス化が進む今だからこそ、子供には「現金」をあげよう

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子どもとお金をどう付き合わせていくか。親として非常に頭を悩ますことである。クリスマスプレゼントはいくらぐらいのモノを与えればいいのか、お年玉はいくら渡せばいいのかなど、年末年始に子どもに与えるモノやお金についての問い合わせを多く受け取った。

そこでのやり取りにおいて、お年玉を電子マネーで与えているという声が散見されたが、我が家では現金で与えており、その理由をお話させていただいたところ、そういう考えもあるのかというお言葉を頂戴したので、今回はその際の話を書いていきたいと思う。

『キャッシュレス社会』の足音

この数年でコンビニエンスストアだけでなく、自動販売機やゲームセンターのクレーンゲームでもSuicaやPASMOのような交通系ICカードで支払いが出来るようになっている。

筆者はアナログな人間なので、交通系ICカードを改札以外で使うことを意味もなく避けてきたが、いざ使い始めてみると、その便利さに感動した。財布はカバンの中にしまっているのが、交通系ICカードはすぐに取り出せるように上着のポケットに入れているため、購入するまでにかかる時間が減り、非常に手軽である。

最近では多くの日本企業がQRコード決済に力を入れ始めている。当然、筆者はまだ使ったことはないが、おそらく交通系ICカード以上に利便性は良くなるのであろう。

ずいぶんと前から現金と同様に使用できるポイントは日本でも普及していたが、最近ではコミュニケーションに用いられるモバイルチャットアプリが現金同様に使用できる自社ポイントを他人に送ることも出来るようになった。

仮想通貨は一部投機的な行動の対象になってしまったことから、従来期待されていたような普及はしていないが、それでも中期的には仮想通貨も含めて日本も『キャッシュレス社会』に近づいていくのだろう。

しかし、筆者は子どもにお金をあげるときは、極力現金を手渡すようにしている。

子どもを教育するなら現金を渡すべし

これは筆者が実践していることである。例えば子どもが500円のオモチャが欲しいと言った時に、そのオモチャを買い与えてしまえば、それで話は終わってしまう。しかし500円を渡して好きな物を買っていいよと言えば、現金を握りしめて店の中を歩き回り、500円という予算の中で買えるものの中で、一番欲しいものを考えて何を買うかを決めるだろう。

現金を渡し、モノとそれについている値段を手元にある現金と見比べさせて、どういうものはどれぐらいの値段かという相場観を養わせている。大人ではないので、モノの原材料やスペックまでは理解できていないものの、シンプルに大きいものは値段が高い、派手なモノや金属を使っているモノは高いなど、なんとなく質と値段の関係も理解しつつあるように感じている。
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文=森永康平

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