Gコマースの「G」は、グッドの頭文字を指す。「自然派のサステナブルな商品を扱う善良な商売だ」とパンディヤは説明する。「私たちの体に入れるもの、体に使うもの、体が触れるもののすべてがケミカルフリーであるべきだというのが我々の理念。今後5年間でQtrove自体がそういった製品のサステナビリティの標準になることを目指している」
Qtroveが扱うのは、中小規模の生産者が手作りしたオーガニック食品や、石鹸やシャンプーなどの日用品、カーテンや照明器具などのインテリア用品。ホームページには、インド工科大学ヴァーラーナシー校で化学工学を学んだパンディヤらが安全でサステナブルであると認めた、約800の出店者による10000点以上の商品が並ぶ。
Qtroveは商品の持続可能性や安全性、使いやすさを検証するためのガイドラインを制定しており、販売に値する商品であるかどうかを1点ずつ時間をかけて見極める。その過程で約40%の出店希望者が弾かれるという。その後、セールスチームも商品を細かく検証し、オンラインショップに掲載する紹介文や写真を作成する。
また、キャッシュバックや大幅値下げといったEコマースではおなじみの販売戦略はとらない。「我々は商品の良さをアピールしてユーザーの感情に訴える。マーケティングにおいてはコミュニティの絆や物語を強調する」とパンディヤは言う。
インドのVCから55億円を調達
年間の総取引額は200万ドル弱。Qtroveの取り分はその25〜35%だ(商品の価格によって異なる)。パンディヤによると、同社が黒字を保っている理由は「在庫を抱えないアセットライト(資産保有を必要最小限にすること)モデルを採用しているから」。Qtroveはまた、インドのVCであるSpringboard Venturesから5000万ドル(約55億円)を資金調達している。