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2018年、Forbesの「世界で最も稼ぐユーチューバー」ランキングでは推定2200万ドル(約25億円)を稼いだわずか7歳の子どもが首位に輝いた。日本の小・中学生も将来なりたい職業としてユーチューバーを挙げる。個人で画像や動画を発信する「インフルエンサー」は、いまや若者カルチャーを生み出し、多くの企業が注目する存在となった。

インフルエンサーの舞台は、ユーチューブに限らず、インスタグラム、ツイッターなど多数存在するが、昨年からひときわ注目を集めているのが、10代を中心とした若者に人気の動画プラットフォーム「TikTok」だ。ファンの多い動画配信主は、「TikToker」と呼ばれている。

2月27日、そのTikTokerが多く所属するインフルエンサープロデュース企業「RERAISE(リレイズ)」が、1.2億円の第三者割当増資引受先を行ったと発表した。引受先は、サザンオールスターズや福山雅治が所属する大手芸能事務所のアミューズだ。

インフルエンサーのマネジメントにおいては、はじめしゃちょーやフィッシャーズなど人気ユーチューバーを抱えるプロダクション「UUUM」が好調だが、リレイズはそれに続くモデルとなるのか。

TikTokのインフルエンサーをマネジメント

動画投稿の専門知識をもたない学生でも有名になりうるのがインフルエンサーだが、一方で彼らは体系的なコンテンツ作りのノウハウをもたないことも多い。プロダクション企業は、こうした動画編集のサポートや、商品PRなどの「企業案件」の仲介を引き受けている。


夜道雪

リレイズは2018年8月に創業、現在約40人のインフルエンサーが所属している。同業の企業は多いが、リレイズの特徴は、TikTokで人気のインフルエンサーを数多く集めている点にある。なかには夜道雪や成瀬など50万人近いフォロワーを抱えるTikTokerもおり、メンバーの総ファン数は280万人を超えている。

アミューズが今回の投資を決定したのも、リレイズの10代に対する高い訴求力を評価したからだという。リレイズ代表取締役の又吉教太は、「リレイズに所属する若いインフルエンサーたちは、TikTokやツイッターといった10代が中心のデジタル領域での振る舞いを熟知しており、ユーザーの共感を呼ぶノウハウをもっています」と説明する。

長期的視点を大事にし、海外展開も目指

インフルエンサーに対する注目度は高まる一方で、課題も少なくない。例えば、プロダクションによるインフルエンサーの買い叩きだ。インフルエンサーに憧れるSNSで人気の若者をとりあえず囲い込んだものの、きちんと育成をしない企業も多い。結果、若者は活動に飽き、そのまま事務所を辞めてしまう。こうして継続的な利益を生めないまま経営難に陥るプロダクション企業も少なくないのだという。

リレイズも人気のインフルエンサーを多数採用しているが、又吉はこうした現状を「目先の利益だけを追えばファンは離れていく」と危惧する。

「短期的な利益だけでなく、長期的な視点が大切です。インフルエンサーをきちんとした大人に育てるという観点を大切にしながら、マネジメントしなければなりません」

今回の調達で得た資金は、動画制作のクリエイティブ力強化や、人材の積極的な採用、社内人材育成の強化に充てる予定。また、今後はデジタル領域以外での活動も視野に入れており、アミューズと共同でインフルエンサーのマネジメントを進めていくという。

「将来的には、海外での活動も考えています。BABYMETALやSEKAI NO OWARIなど、海外でも成功を収めたタレントが多数所属するアミューズさんのノウハウは、インフルエンサーの活動の幅を大きく広げてくれるはずです」(又吉)

取材・文=礒嶌まどか 写真提供=リレイズ

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