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組織行動学から読み解く


テレビ局時代「キャリア迷子」になっていた

皆さんの「キャリア・アンカー」は、どれに当てはまるだろうか。また逆に、自分のアンカーにふさわしい職業に就いているだろうか。自らの才能や欲求、価値観にあった仕事をしているかどうかで、仕事への満足度は大きく異なるだろう。

ちなみに、私の場合は、地方テレビ局の記者及びキャスターとしてキャリアをスタートした。取材を通して得る新しい学びや出会い、「伝える」技術の向上とそのための努力を重ねる日々に、十分な満足を感じていた。他社との適度な競争がある環境も、私には適していた。

しかし就職して7年目。私の中にモヤモヤとした気持ちが生まれ、その気持ちに蓋をすることができなくなっていった。「このままでいいのだろうか?」私は、キャリア迷子になっていたのだ。

当時は「キャリア・アンカー」という言葉を知らなかったが、自分の内面に向き合うと、もっと社会を変革するための仕事をしたいと強く願っていることに気づいた。記者やキャスターという仕事も公益性の高い仕事だが、より直接的に社会にインパクトを与えたいと考えるようになった。

そんなときに、参議院議員選挙への立候補を打診され、2004年に初出馬して、初当選。以来、参議院議員時代の12年間、子育て政策や教育政策を中心に、本当に充実した仕事をさせていただいた。休みたいと思うことはあっても、モヤモヤした気持ちに苦しむことはなかった。1つ1つの政策によって、子どもたちの未来を創っているという実感があったからだ。

つまり、いま振り返ってみると、私の「キャリア・アンカー」は「社会貢献性」だったのだろう。アンカーが「技術・専門性」や「保障・安定性」であったのならば、いまもテレビ局で仕事を続けていたはずだ。

心の中にモヤモヤが生じた時やキャリア迷子になった時には、立ち止まる勇気も必要なのかもしれない。自らの「キャリア・アンカー」を確認し、いまの場所にアンカーを下ろすのか、ほかの場所に移るのかを決める。自らの望む地にアンカーを下ろすため、必要なスキルを身につける選択をすることもできるだろう。「キャリア・アンカー」を確認することで、内心の欲求と足らざるものを発見することができるはずだ。

「キャリア・アンカー」の確認は、自らの人生の目標をあらためて見定めることにほかならず、次のキャリア選択にもつながる。重要なキャリア選択の度に立ち止まり、自分が何を望んでいるのか、どのように生きていきたいのか、自らのアンカーを見つめ直すことは、次のステージへの確固たる一歩ともなる。

「職業人生50年時代」に遭遇するキャリア迷子から脱するために、「キャリア・アンカー」の確認は大いに役立つのではないだろうか。

連載:組織行動学から読み解く
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文=林久美子

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