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世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

イラストレーション=ブラティスラフ・ミレンコビッチ/シナジーアート

アワードの最終選考に残った日本が誇る17社を掲載。新たな価値を創出し、地域全体を底上げする地方の雄を見よ。


変革は周縁から生まれる──。そんな言葉を裏打ちするような、この日本地図を見てほしい。ここに記されているのはアドバイザリーボードがスモール・ジャイアンツを選考していく過程で、最終的に絞り込まれた各賞受賞企業を除く17社だ。

大企業が大都市圏に集中する一方、地方から新たな市場を生み出した企業は多い。

地方企業は、人材難や商圏の縮小という負の環境に焦点が当てられがちだ。しかし、逆境にありながら、新たな価値を創出し、地域全体の底上げに貢献できているのはなぜだろうか。一因として「自己規定」からの脱却があるだろう。過去と他人は変えられないと言うように悪環境は変えられない。であれば、自己をどう変えるか。

コア技術を深掘りして突破口を開いたり、あるいはここに挙げた「漆器作りから健康管理へ」「建築施工から太陽光パネルに」と業種の幅を広げたり。「こうあらねばならぬ」という業界の常識や思い込みから脱したとき、実は可能性は一気に広がるのだ。

胃カメラから航空機まで 特殊部品を1個から試作
キャステム|広島県

タイでは、金属粉末射出成形(MIM)で胃カメラや放射線治療器などに使う、複雑で強度も要求される部品を作り、アメリカでも、3次元(3D)データを計測・解析するスキャナーを駆使して医療機器や航空機などの特殊部品を試作する。

肌着からの転換 「もちはだ」+「ファッション」
ワシオ|兵庫県

冒険家の植村直己も南極で使用。特殊防寒肌着「もちはだシリーズ」は約50年前から幅広いファンをもつ。さらに最近では、シリーズにファッション性もプラス。「コートの下は一枚で十分。着膨れもしないうえにスタイリッシュ」を実現。

土木技術を医療分野へ 大学とのコラボも
マルイ|大阪府

土木建設関係の試験機の製造で培った技術を活かして医療現場へ進出。医療分野の各種測定機器(非接触硬さ計)、さらには、大阪大学、神戸大学とコラボレーションして必要なスキルを効果的にトレーニングできる装置・器具を開発、製造している。

ナノ単位のメッキで スマートフォンの小型化に貢献
清川メッキ工業|福井県

全国めっき技術コンクールでも表彰される同社はナノ単位のメッキで自動車、スマートフォンなどの電子機器の小型・軽量化に大きく貢献。また、「取引相手は100%国内企業で従業員も100%福井県民」と超ローカルを地でいく。

器が独居老人を救う 次世代の食事提供システム
下村漆器店|福井県

IHで使える「耐熱漆器・トレー」の開発によって生の食材を盛りつけるだけで災害の避難者にも「あつあつ」を提供できるように。さらに、IHプレートとタブレットを使ったシステムを開発したことで、買い物弱者にも食事を自動調理して宅配する。

介護から災害レスキューまで あらゆるニーズに応えるロボット
テムザック|福岡県

ロボット、ビークル(乗り物)、車椅子としても使える新しいスマートモビリティ「RODEM」。救急車が到達するまでの間に急病人に診断・応急処置を施す「プレホスピタルケアロボット」などユニークかつ最先端のプロダクトを製造。

アフリカの教育を変えた 巻ける太陽光発電パネル
川口スチール工業|佐賀県

巻物のような「軽量でグニャグニャの太陽光発電パネル」を開発。木柱に巻きつければ、アフリカのように砂ぼこりが多い地域でも使える。灯りは夜間の商売を可能にし、人通りが増えたところも。さらに、子供が「夜まで勉強できる」ように。

野球グラブOEMメーカーが バッグの自社ブランドも確立
トライオン|大阪府

メジャーリーグのトッププレーヤーたちの野球グラブも製造するOEMメーカーはフィリピンなどの海外でも野球文化を広げている。また、1998年より、素材特性を活かす縫製技術を駆使した自社バッグブランドを展開している。

構成=フォーブス ジャパン編集部 イラストレーション=ブラティスラフ・ミレンコビッチ/シナジーアート

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