もう一つの疑問は、1982年から実施されているこの調査の対象に、現職であるトランプを含めるのは少し時期が早すぎたのではないかということだ。
ケネディが神秘主義や殉教と関連付けられるまでになったのは、大統領就任から3年目、テキサス州ダラス市内を自動車でパレード中に暗殺された年以降だ。ケネディはこの年にアメリカン大学の卒業式で行った演説(「平和の戦略」)で核実験禁止を呼び掛け、同年に部分的核実験禁止条約に署名。また、西ベルリン(当時)で演説し、「Ich bin ein Berliner(私はベルリン市民である)」と述べた。
また、レーガン大統領の評価も、在任中より退任後になって上昇している。後任の大統領が就任してから起きたソビエト連邦の崩壊や、前例のない経済活動の拡大に貢献したとされている。
トランプがレーガンと同様の成功に向かうと言っているわけではない。経済の悪化と外交での失敗、好ましくない国内の政治情勢が組み合わされば、恐らくトランプは下位にとどまることになるだろう。
一方、トランプが再選を果たし、経済が成長を続け、外交でいくつかの成功(例えば、中国との貿易紛争に勝利するなど)を収めることができれば、2026年に行われる次回の調査結果はどうなるだろうか。
退任後に評価が上がったその他の大統領には、ジョージ・W・ブッシュがいる。2010年の調査では43人中40位だったが、今回は33位だった。
時間の経過とともに、評価が変わる可能性があることは確かだ。調査に協力する学者たちがトランプに「強運」以上のものがあると認めるのかどうかも、時がたってから分かることだ。