ウーバーの運転手に「稼げる情報」を届けるアプリ、全米拡大へ

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ウーバーやリフトなどの配車サービスのドライバーらは、様々なツールを駆使して効率的に稼ぐ方法を考えている。この分野では、配車の需要が高まるポイントや時間を通知するアプリの「Rydar」や、ウーバーとリフトを同時に利用するドライバーらに、アプリの自動切り替え機能を提供する「Mystro」などがある。

そんな中、空港でのピックアップ情報に強みを持つアプリとして注目を集めるのが「Gridwise」だ。既に米国の5都市で運営中のGridwiseは、累計90万ドル(約9900万円)のシード資金を調達し、年内に米国の全ての大都市にオペレーションを拡大する計画だ。

Gridwiseの共同創業者でCEOのRyan Greenは、海軍に勤務していた2015年に、副業でウーバーとリフトのドライバーを務めるようになった。効率的に稼ぐためには情報が欠かせないことに気づいたGreenは、2016年7月にピッツバーグでドライバー向けのメルマガを立ち上げた。

「購読者たちはメルマガの情報を読むだけでなく、役立つ情報をテキストメッセージで、フィードバックしてくれるようになった。渋滞情報や空港での待ち時間、地元で開催されるイベント情報などが集まるようになった」とGreenは話す。

Gridwiseには無料版と有料版があり、無料版では空港の発着便スケジュールや、乗車ポイントの混雑情報、イベント情報などが入手できる。そこにはドライバーから寄せられた情報も含まれているが、個々のドライバーを評価し、有用な情報のみが集まる仕組みになっている。

有料版のGridwise Plusは月額9.99ドルで、個人に最適化されたアラートが受け取れる。有料版では空港で少しでも良い条件で客を拾うための情報が、リアルタイムで届けられる。

Gridwiseはこれまで口コミで利用者を拡大してきたが、車内の置き菓子サービスのCargoや、新興の配車サービス企業zTripとも戦略的パートナーシップを結び、さらに市場を拡大したい意向だ。

同社の長期的ゴールは、ドライバーのネットワークから得られた情報をモビリティ分野のイノベーションにつなげることだ。

「当社のシステムは、人間のドライバーたちが適切な時刻に、適切な場所に向かうことを支援している。Gridwiseのデータは、ドライバーの仕事を効率化する。このシステムは将来的には、自動運転車を活用した輸送サービスにも応用可能になる」とGreenは話した。

編集=上田裕資

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