国境は知っている! 〜ボーダーツーリストが見た北東アジアのリアル


香港入境後、MTR東鉄線で45分走ると「紅磡」駅に到着(料金52香港ドル)。この駅は深セン経由で広州などに向かう直通列車(港鐵城際直通車)の発着駅でもある。

香港で用事を済ませ、復路は九龍の地下鉄「太子」駅に近いバスターミナルから中国行き直行バスで深センの皇崗口岸へ。ここは福田口岸にも近く、「2. バス+徒歩」(料金41香港ドル)だ。その日、午後1時半発のバスは2時過ぎには香港出境ゲートに到着。いったんバスを降り、出境審査をさっとすませると、その先に同じバスが待っていて乗り込む。

バスは橋を渡り、皇崗口岸到着。すぐに入境審査を受け、深センの町に出たのは2時15分。想像以上に早い。乗客はそれほど多くはないが、若い中国人が大半だった。


罗湖口岸では香港に向かう労働者風の男たちもいた

2日目は、もうひとつの陸路の口岸、地下鉄1号線終点の「罗湖」駅から香港側の同じ地名の羅湖へ、福田口岸と同じ「1. 地下鉄+徒歩」で向かう。この口岸は歴史が古い。1980年代は、ここから木造の古びた橋を渡って中国に入国したものだが、現在は立派なビルがある。数人の日本人ツーリストやビジネスマンを見かけたが、多くの中国人団体観光客とわずかだが労働者風の男たちがいた。所要時間や料金は福田ルートとほぼ同じだ。

復路は、同じく九龍からバスで中国側の深セン湾口岸へ。ここも「2. バス+徒歩」(50香港ドル)だが、中国側の施設で出入境両方の手続きをする「一地両検」を採用している。高速鉄道の西九龍駅も同じ制度を採用していることから、開業当時、香港では「中国の出入境施設を香港領内に設けるのはおかしい」と批判の声もあったが、なし崩しにされてしまったようだ。


香港九龍の広東省各地行きのバス乗り場

この口岸が面白いのは、深セン側から市内行きのバスだけでなく、広東省各地に向かう近郊行きのバスが出ていることだ。つまり、広東省の住人の多くは、このルートを使ってバスや車で香港へ往来していることがわかる。ここでは香港市内の細かい行き先別バスのチケットが購入できる。

最後の日は、深センから珠江河口をはさんで南西に少し離れた珠海からマカオへ。高速鉄道「珠海」駅を降りると、すぐに口岸があり、ここは「4. 鉄道+徒歩」だ。深センの罗湖よりはるかに多くの中国人観光客であふれていた。そのため、出入境手続きは30分近くかかった。


マカオ側の出境口は、赤いおそろいの帽子を被った中国人団体客であふれていた

文・写真=中村正人

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