2. 本来の自分になる
写メでいつも同じ角度で撮影している人がいる。これは裏を返せば「この角度以外の私はダメなんです!私の顔のダメなパーツはココなんです!」と全方位へ自己主張してしまっているようにも見えた。
人は自分の主観で「ダメ」と判断したものを隠したがる。大きくない目、丸い輪郭……今の世の中の基準で「ダメ」に該当する外見的な個性は沢山ある。だけど、必死に隠そうとするものほど際立つし、自分が持っているのに愛せていない顔・身体のパーツは、一生輝くことはない。
筆者が元々コスプレに夢中になったのも、大嫌いな自分とは別の何かになりたかったからだ。だが、そこから10年以上の時を経て写真への向き合い方が変わったのも、まさに、自分の主観で「ダメ」「良い」と勝手に判断していた顔・身体のパーツを、どれも同じくらい大事にした上で隠さずに出するようになってからであった。
3. 世の中で言う綺麗=魅力的なのか?
小さな顔に大きな瞳、スッと通った鼻筋、綺麗な二重、きれいな肌…お人形さんのような顔が今のトレンドの一つになっている。
でも、自分が元々持っている他の人にはない特徴・個性を隠したり修正したりして、世の中のトレンド顔に寄せていくことで、その人本来の魅力は伝わるだろうか?
何より、隠したり修正したりすることで、根底には「自分には本当はダメなところがあるのに隠している、本当の自分は分かってもらえないのでは…」という後ろめたさが残らないだろうか。
平安時代は今とは全く違う顔が美人とされていた。また、欧米でいう美しいアジア人の基準は、日本とは微妙に違う。そして、多くの人が目を大きくしたり鼻を小さく高く見せようとする中においては、逆に小さな目や大きな鼻こそが唯一無二のアイデンティティになる。
実際に、自分の外見の個性を活かして輝いている方も数多くいるし、世のスタンダードと違う形で輝いている人はより多くの人の心を動かす。
目が小さい、鼻が低いイコール容姿が劣っていることではないと考えると、自分を輝かせる方法は、外見一つをとっても実は無限にあるのではないだろうか。
メイクやオシャレを頑張らなくとも、自分の外見の全てをまるまる認めてあげるだけでも、一気に輝き出して変化するきっかけになるものがあるはずだ。
連載 : 金融女子コスプレイヤーから見た「世界」
過去記事はこちら>>