電欠の不安よ、さようなら 日産リーフe+が市場の意識を変える?

日産リーフe+


今話題のeペダルも進化している。つまり、アクセル操作だけで当然、加速はできるけど、ペダルを緩めると完全な停止状態までブレーキをかけることができる。特に回生ブレーキの効きが最も強い「Bモード」に入れると、不思議にワンペダルだけで運転できる。

その制動力の加減に慣れるまで時間は少しかかるけど、一度慣れたら、ブレーキペダルを踏まなくていい近未来にタイムスリップしたような気分になる。また、eペダルで行うブレーキ操作は4輪を独立して制御してくれるので、コーナーに差し掛かった時、うまい具合に、安定して気持ち良くノーズが入っていって、狙ったラインを保つ。

今回のバージョンでもう1つ驚いた。バッテリーパックを高性能かつ大きくすると、当然重くなる。しかし、新リーフは力士1人分ほどの130kgも重くなっているにもかかわらず、パワーやトルクが増えた分、車重を感じさせない。むしろ、クルマが重くなったからこそ、運転性能が良くなったと言える。地上高が5mmも下がり、低重心がより目立ったことで、新リーフはコーナーでのボディロールがだいぶ押さえられた。

また、この新リーフには日産の自動運転支援システム「プロパイロット」がついている。今回のマイナーチェンジで、そのシステム性能は向上し、現行型よりも車線の中央、ど真ん中の走行ラインを自動的に保持する。そういうところは、テスラのオートパイロットの正確さとほとんど変わらない。ただ、日産のシステムには、テスラの自動車線変更ができないけどね。



室内は、ダッシュボードのタッチスクリーンが7インチから8インチに拡大し、日産コネクト・インフォテインメントを採用している。画面の見た目とアイコンは、ライバル車より多少遅れをとっている感じがしなくもないけれど。

細かいところはさておき、この高性能バージョンは、冒頭で言ったように「今まで電気自動車には興味はあったけど、電欠は怖い、走りは面白くない」と言っていた人に、大きな声で呼びかけている感じがする。ついに友達にすすめられるEVが登場した!

連載:国際モータージャーナリスト、ピーターライオンの連載
「ライオンのひと吠え」過去記事はこちら>>

文=ピーター ライオン

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