「おもてなしトイレ」は、日本のイメージアップにつながるか

TOTOは日本の玄関口とも言える成田国際空港第一ターミナルビルの南ウイング1階に、IoTを活用した“最先端のおもてなしトイレ空間”「experience TOTO」を設ける。開設に当たってはNTT東日本、株式会社バカンと提携する。サービス開始は4月3日。

2020年に控えた東京オリンピック。来日する外国人観光客も増加することが予想される。

しかし訪日外国人の中には、多くの操作ボタンが存在する日本の多機能トイレに不慣れな人も多く、トイレの使い方を啓発する掲示もあちこちに見られる。日本のトイレはハイレベルなあまり、難しいのだ。

新たにTOTOが設けるトイレには、日本の多機能トイレに不慣れな人でも快適かつスムーズに使用できる機能が備わっているのだ。

TOTOが2018年10月に発表した「訪日外国人旅行者アンケート調査」では、観光地のトイレが“きれいなトイレ”だと、7割以上が「観光地のイメージがよくなる」と回答している。トイレ環境は国のイメージを大きく左右する要因のひとつなのだ。

TOTOはこのような調査結果から、「experience TOTO」を通して温水洗浄便座「ウォシュレット」に代表される“日本のきれいなトイレ文化”を観光客に体験してもらおうと考えた。

「experience TOTO」その気になる機能は

今回の「experience TOTO」では温水洗浄便座「ウォシュレット」の操作ができる多言語対応のタブレットリモコンを導入した。IoT化の一つでありボタン操作より使いやすいためと思われる。また、各個室が空いているかどうかをリアルタイムで表示するサイネージを設置。利用者のストレスを軽減させる機能を備えた。

ウォシュレットの操作方法を紹介する動画も見られる



各トイレに設置したタブレットリモコンは5言語(日本語、英語、簡体字中国語、繁体字中国語、韓国語)に対応しており、初めて「ウォシュレット」を利用する訪日外国人でも快適に使用できる。また、リモコンでは「ウォシュレット」の紹介動画を視聴することもでき、具体的な使用方法を知ることができるようになっている。

トイレの混雑状況をリアルタイムで多言語配信



トイレ内の個室に設置したセンサーが各トイレの利用状況を把握。また、天井に設置したセンサーでは行列の状況をリアルタイムで把握する仕組み。トイレの入口両脇に設置したサイネージに、混雑情報をリアルタイムかつ5言語で表示する。

NTT東日本はトイレのICT化や、タブレットの提供、ネットワークを支援。トイレの空席情報のサービスなどを手がけるバカンはトイレの混雑情報を検索できるプラットフォームを提供する。

私たちにとっては当たり前である高機能トイレも、外国人からすると日本らしさの象徴のひとつであり、日本の文化として十分にアピールできるポイントなのだ。

日本のきれいなトイレ文化を知ってもらい、かつ、わかりやすく使えることこそが、日本のおもてなしになるのではなかろうか。

文=飯村彩花

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