ネットフリックスには「残念な結果」の今年のアカデミー賞

(Kevork Djansezian / by Getty Images)

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ネットフリックスは同社が製作した映画「ROMA ローマ」を、今年のアカデミー賞で最高の栄冠とされる作品賞に送り込むために、数千万ドルの宣伝費を投じてきた。しかし、その夢は果たせなかった。

「ROMA ローマ」は「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロン監督が、若い家政婦の視点から、1970年代のメキシコを描いたヒューマンドラマだ。この作品は今年の第91回アカデミー賞で作品賞は逃したものの、監督賞と撮影賞、さらに外国語映画賞を受賞した。

2月24日のアカデミー賞授賞式で、作品賞に輝いたのは、ピーター・ファレリー監督が、マハーシャラ・アリとヴィゴ・モーテンセンを主役に起用した作品「グリーンブック」だった。この映画は黒人差別が強く残る1960年代の米国南部を舞台に、天才黒人ジャズピアニストと白人の運転手の交流を描く心温まる作品だった。

映画サイトの事前投票では、「ROMA ローマ」の評価が「グリーンブック」を上回っていた。しかし、ハリウッドの映画系メディアは、審査員らが「ROMA ローマ」に作品賞を与えることにネガティブな姿勢を示していたと伝えている。

ネットフリックス製作の映画が作品賞をとれば、伝統的な映画業界のビジネスが破壊されることを、彼らは懸念していたという。

「映画業界の老人たちは、オスカーの栄冠を破壊者であるネットフリックスに渡してはならないと思っていた」とThe Hollywood Reporterは書いた。ニュースサイトDeadlineのコラムニスト、Peter Hammondも映画業界内部でネットフリックスに対する反発が高まっていたと述べる。

「ネットフリックスに作品賞を与えたらゲームの流れが変わってしまうと、彼らは恐れていた」

しかし、それこそがネットフリックスが望んでいたことだ。作品賞をとれば、現在よりさらに多くの一流俳優や映画監督を、ストリーミング作品の製作に呼び込むことができる。

ネットフリックスのコンテンツ最高責任者のテッド・サランドスは、今回のアカデミー賞で同社が偉大な功績を収めたことを強調した。ネットフリックスは今回、短編ドキュメンタリー賞に、安価な生理用ナプキンを製造するインドの女性らを描いた作品「ピリオド-羽ばたく女性たち-」も送り込んだ。
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編集=上田裕資

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