マイクロソフト、業務利用特化のMRデバイス「HoloLens 2」を発表

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マイクロソフトは2月24日、バルセロナで開催されたイベント、モバイル・ワールド・コングレス(MWC)で、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)の最新モデル「HoloLens 2」を発表した。

会場ではHoloLensの父と呼ばれるアレックス・キップマンが機能の詳細を説明した。HoloLens 2は2016年に発売されたHoloLensと比較して、ハードウェア性能が大きく向上した。さらに、軽量化を果たしたことで快適性もアップしている。

マイクロソフトは今回のHoloLens 2を、ビジネスユーザー向けに売り出そうとしている。「初代のHoloLensを2016年に発売して以来、MR(複合現実)が人々の働き方を変えてきた」とマイクロソフトのAzure Corporate部門バイスプレジデントのJulia Whiteは公式ブログで述べた。

「建設現場や工場、病院の手術室や学校の教室といった様々な場で、HoloLensは人々の働き方や学び方、コミュニケーションを革新した」

HoloLens 2はディスプレイシステムを一新し、視野角が前モデルに比べて約2倍に拡大。表示範囲を広げながらも、ピクセル密度は前モデルと同様の「1度あたり47ピクセル」となっており、文字の視認性も維持している。

さらに、指の動きまで認識できるハンドトラッキング機能を搭載し、より直感的なジェスチャー操作に対応した。視線を検知するアイトラッキングセンサーも内蔵し、バーチャル空間に浮かぶホログラムと自然なやり取りができる。

生体認証機能の「Windows Hello」の虹彩認証でWindowsにログインすることも可能だ。

また、装着にあたっては背面のダイヤルを回してフィッティングする仕組みを採用し、全ての人が快適に装着できる設計となっている。メガネをかけたままでも装着でき、作業に疲れたら前方のグラス部分をフリップアップして、休憩をとることもできる。

イベントの当日、マイクロソフトはHoloLensのエコシステムが、オープンなものである点を強調した。その一例にあげられたのが、MozillaがHoloLens向けブラウザを開発中である事だ。また、Epic Gamesのゲーム開発エンジンUnreal Engine 4が今後、HoloLensをサポートするという。

HoloLens 2の価格は3500ドル(約39万円)となっている。また、ビデオ通話をハンズフリーの空間上で利用し、共同作業ができるシステム「Dynamics 365リモートアシスト」とのバンドルも月額125ドルで用意されている。

HoloLens 2を2019年中に発売する国は、米国、日本、中国、ドイツ、カナダ、イギリス、アイルランド、フランス、オーストラリア、ニュージーランドとなっている。

編集=上田裕資

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