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また、国内のビジネスの世界ではまだまだ女性の存在感は弱く、組織におけるグラスシーリングの問題は解消されていません。女性であるというだけで能力や実績が正当に評価されない状況は払拭されていないのです。VCの分野における女性投資家もまだ少数です。

しかし私は、イスラエルの女性起業家が直面するこういった試練の数々は、彼女たちをよりたくましくし、今後待ち受けるハードルに対応可能にするはずと信じています。

イスラエルでは、他国に比べて女性起業家の比率は比較的低いと言えます。イスラエルの女性起業家は、いわゆるオーソドックスな女性的な分野、つまり女性の方が男性よりも得意であるとされるようなサービス分野で起業する傾向があります。

技術的な分野におけるイスラエルの女性の活躍はまだまだですが、デジタルヘルスの分野では増えてきています。高校や大学、社会人学校などでも、女性の起業を奨励するアクティビティが多く見られます。実は女性起業家向けのみならずマイノリティーの人たち向けにも、インクルージョンの取り組みは進んでいます。

起業しようとする女性たちのレベルや目的によって、支援組織もさまざまあります。若い女性にプログラミング教育をしたり、起業体験を提供したりもしています。設立間もないスタートアップをサポートするアクセレーターが、すべての女性たちに均等な機会を提供し、彼女たちの能力を生かそうとしています。

また、技術分野に進出する女性起業家のための共有スペースを提供したり、投資家とのマッチングを設定したり、シリコンバレーのエコシステムのネットワークを紹介したり、女性起業家がネットワークを構築できるフォーラムやコミュニティーを提供したりと、支援の方法も多様です。

こういった動きも大きく手伝って、昨年、女性起業家の成功ストーリーがいくつも誕生しました。新規上場を果たした企業もあります。例えば、女性起業家による最大手のテック企業には「ハウズ」があります。アディ・タタルコが夫のアロン・コーエンと創業し、運営している企業です。

──今年、イスラエルの女性起業家にどのような変化が起きると思いますか? 世界的な視野ではどうでしょう?

女性起業家のプレゼンスはますます大きくなると思います。分野も多岐に渡っていくでしょう。そして、イスラエルの女性起業家はグローバル市場に進出していくと思います。VCも、女性パートナーによるスタートアップをより支援してして行くと思います。つまり、起業家からのボトムアップ、投資家からのトップダウンの双方向で動きは高まっていくはずです。

今年は、イスラエル国内の女性起業家をサポートする組織も勢いを増していくでしょう。国全体の経済状況改善のためにも、女性に起業を奨励し、起業後のビジネス存続のためのスキル取得を支援し、リソース提供をしていくはずです。

こういった状況があるので、起業を選ぶ女性は増えるでしょう。われわれは、女性起業家がどうやって、どういった分野で実績を作っていくかを注視しながら、支援していくつもりです。

女性起業家の成功ストーリーは次世代の女性起業家のモデルになります。分野ごとのサミットや研修プログラム、そしてメディアなどで彼女たちの成功例をシェアすることが重要です。多くの女性が持続可能な企業をスタートアップさせ、成長させていければすばらしいと思います。


ツフィット・ヘリング(Tzufit Herling)◎社会起業家。起業家たちのコミュニティー形成にも情熱を傾ける。「フォーブス・イスラエル」のコントリビューティングライターも務めていた。

翻訳協力=松本裕/株式会社トランネット 構成=石井節子

VOL.27

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