がんを治せる病気にする 医者じゃない僕にもできること

2月4日に始めたプロジェクト「delete C」

2月4日、世界対がんデー(World Cancer Day)に、新しいプロジェクトを立ち上げました。

プロジェクト名は「delete C」。がん=Cancerの頭文字の「C」を、身の回りの言葉からみんなで消そうというプロジェクトなのですが、その仕組みはとてもシンプルです。

その1. 企業は、企業名、商品名、サービス名にある「C」を消す。
その2. 個人は、「C」の消えた商品を買ったり、サービスを利用する。
その3. 売り上げの一部が、がんの治療研究に寄付される。

想像してみてください。たとえば、こんな感じです。

CUP NOODLEは、「アップヌードル」に
BIG Macは、「ビッグマッ」に
Suicaは、「スイア」に
オロナミンCは、「オロナミン」に
C.C.Lemonは、ただの「レモン」に
CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)は、えーと、なんと呼べばいいんでしょうか。


上記画像はイメージです。「こんな世界を見てみたいな」という一例です

とにかくこんな感じで、いつも見慣れた商品や企業名から「C」を消すわけです。このプロジェクトを思いついたとき、僕はこんな世界見てみたい!って心から思いました。マックの店頭で「ビッグマッください」ってめっちゃ言いたいし、大阪道頓堀のグリコの看板が「グリオ」になっていたらなんてシャレているんだろうって思いました。

このプロジェクトですが、僕が一人で考えたものではなく、友人の中島ナオさんと話している時に思いついたものです。ナオさんは、31歳の時にがんが見つかり、2年前には転移がわかって、いまステージ4の状態にあります。

僕がナオさんと知り合ったのはちょうど2年前、がんの転移が分かった直後のことでした。それ以来、ご自身の経験を通じて、「がんをデザインする」ことを目標に様々な活動に取り組むナオさんを、僕は自分にできる範囲でゆるゆるとサポートしてきたのですが、去年11月末に久しぶりに会ったナオさんにこう言われたんです。

「がんを治せる病気にしたいと本気で思っています」

「う…これはやばい」と思いました。「がんを治せる病気にする」というのは、誰が何と言おうと直球ど真ん中の課題ですが、僕のような医療のど素人が到底手を出せるはずもない、あまりにも遠すぎて、自分には関係のない問題だと思ってきたからです。

がん自体は、とても身近な問題です。がんという名前はもちろん知っていて、親戚をがんで亡くしたこともありますし、有名人ががんになった、がんで亡くなったというニュースはたくさん目にします。それなのに、がんに対して自分にできることを考えたら、僕にはほとんど思いつけませんでした。

もっと率直に言うならば、この2年の間、僕はずっと「自分にはできることがないな…」という無力感に近いものを抱いていました。どれだけナオさんの相談に乗ったり、様々な活動をサポートしても、なんとなくお茶を濁しているというか、周縁をぐるぐる回っているだけで、もじもじとたたずむだけの自分がいるのです。
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文=小国士朗

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