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100年人生のライフシフトとリーダーシップ

(Ryouchin / Getty Images)

人生100年時代が謳われる昨今。実は、その裏にはある「現実」が横たわる。それは、80歳まで現役で働き続けることになりかねない現実だ。

しかし、企業のしくみの上では従来の「人生80年」の前提が変わっていないので、大多数の企業は定年を60歳のままにしている。多くの場合、60歳以降は定年後に再雇用制度で一年契約の嘱託となり、さしたる仕事もなく年収300万程度で年金受給開始の65歳まで食いつなぐことになる。

こんな制度のもとで会社が用意した仕組みに頼っていけば、その時までに得た社外でも使える、価値を生むノウハウは枯れ果てているだろう。そして65歳の時点で、多くの人はこれまでの経験や実績を活かすことなく80歳までの第二の現役時代で活躍する場を失ってしまいかねない。

医療技術の進歩で寿命は一方的に伸びていく見込みだから、企業の定年とは関係なく100歳まで生き続ける可能性が高くなる。家の外に出る用事がなく、長い期間引きこもりがちになれば心身ともに健康を害する心配も出てくる。生活資金のためにも、将来先細りしていく年金以外に、少しでも稼ぐために現役で働き続けなければならない。

しかし、どうせ働かなければならないのなら、意味のある自分らしい仕事をしたい。

いつまで働くかという問題は、自分の人生を左右するだけではなく、組織にも大きな影響を及ぼすことになる。

引退が見えてくる50代後半から、すでにエネルギーが消耗気味の社員が増えてくる現実もある。「先が見えた」と半ばあきらめ気味になる社員の数はどんどんと増えている。そういう社員を「年だけ重ね社員」という。

あなたの周囲に、こんな社員はいないだろうか?

・年収が下がった人たちは、給料に見合うくらいで適度に働くという言い訳が多く、職場の雰囲気を悪くする。

・もう先が短いからと言って、周りと連携することなく勝手に行動する。

・時間内だけ事務所にいれば、たいして頑張らなくても給料がもらえるというオーラを発散させている。

こうした「年だけ重ね社員」がどっしりと居座り、「粘土層」と化した組織が活性化するはずがない。若手にもいい迷惑になる。彼らの視界からは組織の成長へコミットする意識はすでに消え去り、そのまま居続けられるので、65歳までは少なくとも生活に困ることはない。ましてや80歳まで現役で価値創造をしつづけないといけないという、迫りくる未来の現実も見えていない。

文=徳岡晃一郎

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