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2月22日、e-Residencyのミートアップが渋谷で開催された。e-Residencyチームからは、Head of PRのArnaud Castaignet氏が来日。フランス出身でオランド元大統領のもとでも働いていたという同氏が、e-Residencyの歩み、そしてこれからの構想を語った。

e-Residencyによって生まれた意外な副次的効果

イベントの冒頭、Arnaud氏はe-Residencyの現状について明らかにした。

現在、全世界で約5万人いるエストニアのe-Resident(電子国民)。日本からも2500名以上のe-Residentが誕生しており、その規模はアジア最大だという。

取得をすることで、エストニア法人の設立や、銀行口座の開設が可能になる同プログラムだが、その取得プロセスもシンプル。オンラインでの申請後、エストニア警察によるバックグラウンド・チェックを通過すれば、あとはe-Residencyカードを最寄りのエストニア大使館で受け取るだけ。

エストニア政府側としても税収やビジネス面での経済効果が期待でき、人口減にあえぐ同国での新しい打ち手となる仕組みだ。

ところがArnaud氏は、e-Residencyの意外な副次的効果があったことも明かす。実際にe-Residencyを取得したユーザーの多くが、ビジネス分野以外でも、エストニアに対して興味関心を示し、情報収集を積極的に行う傾向が見られると分析。

「法人設立等による税収の増加に加えて、ソフトパワーの向上にも繋がっている」と、e-Residencyがエストニアを想起させるキーワードとして、国のブランディングにも寄与していることを強調した。経済力などの対外的強制力ではなく、e-Residency自体の魅力が、国際社会におけるエストニアの影響力を結果的に高めていると同氏はいう。



e-Residencyチームが経験した課題

当然、e-Residencyの歩みは順風満帆な訳ではない。プレゼンテーションの後半では、現状の課題点を3つ、そしてその課題に対する打ち手を紹介した。

まず同氏が挙げたのは、「申請から受取までのリードタイムの短縮」である。e-Residencyカードを受け取るためには、エストニア大使館で直接受け取る必要があるが、世界中にエストニア大使館は約30しかない。

加えて、現状では急増する需要に対して大使館側のリソースが追いついておらず、「e-Residencyカード発行の待機時間が長く、ユーザーの利便性が低下している」と同氏は危惧する。

全世界的にe-Residencyカードの受取拠点を増やすのが火急の課題とし、その対応策として日本国内に新たなピックアップポイントを設けることを発表。またサンフランシスコを皮切りに、バンコク、サンパウロ、ヨハネスブルクでも拠点を開設予定だとし、世界中にe-Residencyネットワークを構築する構想を改めて明らかにした。

文=木村 新

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