最小限の初期投資で実店舗を持てるとは、EC業者や都心にショールームを持ちたいメーカーにとって魅力的なサービスだ。社長の三瓶は、一般的な出店にかかるコストの10%程度で出店できると試算している。
「販売形態は、基本的に委託販売としており、商品をお預かりして私たちが販売するため、売れても売れなくてもコスト自体は不変です。そういう意味でいうと、メーカーさんは『adpt』で体験してもらった後、自社サイトやアマゾンでも、またはここで現物を買ってもらうというのでもいいわけです」
商品隣にネットワークカメラを設置し、来客データを出店者にマーケティングデータとして提供
商品にはタブレットが添えられ、説明やQRコードでのEC購入も可能
慶應義塾大学田中浩也研究室 田岡菜による「4d flower」。光の熱による花の変化を楽しむ
スマートホーム向けデバイス「mui」は、LEDやセンサー内蔵の天然木材に文字などを表示
自律神経の状態などを測り、オーダーメイドサプリを調合してくれるマシンも展示
今回は実験店舗としてのスタートだったが、今後の展望に関しては、事業化を前提に大きく展開していきたいと考えているという。
「今回はテーマ上、表参道の路面店を選びましたが、次回以降はこの場所でなくてもいいと思っています。例えば、おばあちゃん向け商品がテーマなら浅草などもいいでしょう。でもまずは今回の店を成功させなければ! 料金体系も含めて調整していきます」(三瓶)
社長の三瓶直樹(右)と、店長の竹信瑞基
空いた場所・空いた期間を短期間だけ使いたい人と結ぶこのサービスにつき、三瓶は「3年で20店舗」を目標に全国展開する予定だという。ミニマムな投資で実店舗が持てる「ポップアップストア」というビジネスモデルは、ネット時代には広く受け入れられるはずだ。
ショッピングモールや商店街で空いてしまった区画なども、社会的資源として活路を見いだされていくだろう。