起業家、デザイナー、アーティストなど様々な領域の次世代を担う、30歳未満のイノベーターにインタビューを行う連載「NEXT UNDER30」では、昨年8月に開催した「30 UNDER 30」特集で取り上げきれなかった若手のアイデンティティとビジョンを探っていく。
「私はファッションアイテムを売っていません。 “纏う文化“を売っています」
15歳の時、家族でファッションの街・ミラノに移住した大河内愛加。高校時代に起きた東日本大震災をきっかけに初めて日本を意識したかつての少女は、イタリアンシルクと着物地を使ったスカートのブランド「renacnatta(レナクナッタ)」を立ち上げた。
アパレル未経験ながらも、クラウドファンディングを活用し短期間でファンを獲得。有名百貨店からも声が掛かるなど注目されている。イタリアと日本を行き来する大河内に、「ブランドを育てる」極意を聞いた。
──スカート専門のブランド「renacnatta」について、スカートのこだわりを教えてください。
ブランド名のレナクナッタは、「使われなくなった」という言葉に由来しており、シルクと着物のデッドストックを使ってリバーシブルの巻きスカートを作っています。
シルクは、ヨーロッパのメゾンブランドも使っているイタリア北部のコモ地方の生地です。あえて華やかな柄を選んでいますが、着てみると意外と肌馴染みが良いんですよ。
着物地はシルクの柄と喧嘩しないように、落ち着いた濃紺やグレーを多く使っています。その中にも細かな織りが入っていたり。それぞれの生地がイタリア人の陽気さやオープンな性格、日本人の繊細さや協調性を表しています。
スカート自体はワンサイズで、着物のように巻いたり、たくし上げたりすることでサイズ調整もできます。