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──支援してくれた人々に、何が響いたのだと思いますか?

ブランドのアピールポイントがたくさんあったことが、クラウドファンディングと相性が良かったのだと思います。

クラウドファンディングで支援を募る時、ブランドの背景にある私の想いを文章に盛り込みました。当時は「文化を纏う」というブランドコンセプトはなくて、「日本とイタリアのテキスタイルの融合」「デッドストックを使い、着物に新たな価値を」など、ポイントが盛りだくさんでした。

ただ、クラウドファンディングのページを見てくれる人はじっくり文章を読んでくれる人が多いので、私の熱量を汲み取ってもらい、たくさんの人に共感してもらえたのだと思います。

後にECサイトを始める際は、アピールしたい部分を絞ってワンフレーズにまとめないと、ブランドの世界観が伝わりづらいということに気づきました。「私はファッションを売っていない。“纏う文化”を売っている」という根底にあった自分の考えをシンプルなメッセージとして発信するようにしたんです。

──renacnattaのファンの方々からは、なぜ支持されていると思いますか?

デザインよりも、ブランドコンセプトや哲学的なものに共感していただいているからではないでしょうか。私は「可愛いもの、綺麗なもの」を売りにしていません。「眠っている生地を活用したい」だけ。シーズンも考えずに私が布を仕入れたタイミングで、職人さんに依頼して製作してもらい不定期に販売していました。

そんなわがままなブランドにも関わらず、お客さんは「待つのも楽しい」と言ってくださいます。SNSでシェアしてもらったり、お礼の手紙を頂いたりした時はとても嬉しいですね。

ただ、毎回少量の入荷で、すぐに売り切れ、さらにいつ再販か分からないという状況を改善したいと思い、今後はコンスタントにリズムよく出品できるように、縫製工場に頼むことにしました。

──これからはどんなことをしていきたいですか?

今年は初めて百貨店から声が掛かり、3月13日から18日まで、伊勢丹新宿店で1〜7号の小さいサイズの婦人服に特化したライン「ストロベリー」の特設展に出店します。5月には渋谷のフリースペース「渋谷ノボレミニ」でポップアップをする予定です。

どんなことでも、やってみたら意外とできてしまうんですよね。私は経営学もアパレルも勉強していなくて、飛躍的に成功しているわけでもありませんが、「絶対にこれを学んでからじゃないとできない」というステップはないと思います。自由にやっているからこそ、うまくいくんじゃないでしょうか。

これからは日本各地のデッドストックを探して生産地ごとのコラボレーション商品を作っていきたいです。そのほかにも、日本とイタリアをつなぐプロジェクトのプロデュースやディレクションも積極的にしていきたい。「私だからできること」を見つけて、これからも大事に育てていきます。


おおこうち・あいか◎1991年横浜市生まれ。デザイナー。15歳でイタリア・ミラノに移住。現在は日本との2拠点生活。2016年2月に、ブランド「renacnatta(レナクナッタ)」を立ち上げ、日本の着物地とイタリアンシルクのデッドストックを組み合わせたスカートを展開している。

文=督あかり 写真=小田駿一

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