フォードは今後、風力・太陽光発電による電力の生産・供給規模の拡大を目指す「MIグリーンパワー」プロジェクトを推進するミシガン州のエネルギー事業大手、DTEエナジーが風力発電により州内で生産した毎時50万メガワットを調達する。
DTEから購入する電力は、トラックを生産する同州のディアボーン工場とその他の組立工場、デトロイト周辺の複数の同社施設で使用する。組み立て工場にはすでに、500キロワットの太陽光発電パネルシステムを設置している。
フォードのエネルギー・技術担当のグローバル・ディレクター、ジョージ・アンドラオスはDTEとの契約について発表文で、同社は地元で再生可能エネルギーから生産される電力を直接、または配電を行う地元の事業者を介して顧客の施設に供給するプロジェクトを「支援する」と表明。そうしたプロジェクトは、「地元の雇用を守り、環境を改善し、電力系統の弾力性を増すことができる」との考えを示した。
フォードはディアボーン工場ではフルサイズのピックアップトラック「F-150」と「ラプター」を生産。組立工場では、ミッドサイズのピックアップトラック「レンジャー」の2020年モデルを手掛けている。
同社はこれら2工場については、「2021年1月までに100%、現地調達した再生可能エネルギーで稼動させる」計画だ。
フォードは再生可能エネルギーへの転換に向け、これまで長年にわたってさまざまな方法を導入してきた。2010年には、「工場における温暖化ガスの排出量を、2025年までに車1台当たり30%削減する」との目標を発表。
2017年にすでにこの目標を達成したことから、今年で20回目の公表となる持続可能性に関する年次報告書(6月に発表)の中で、排出量削減に関する新たなグローバル戦略を明らかにする予定だ。報告書では、再生可能エネルギーに今後、より一層重点を置いていく方針を示すものとみられている。
デンマークのエネルギー大手ヴェスタス(Vestas)は今月、オーストラリアのビクトリア州ジーロンにある以前のフォードの自動車工場を、風力タービンの生産工場として利用することを発表している。