警察によると亡くなった人物の氏名はOmar Awanで、Awanは現地時間の午後4時30分頃、テスラのモデルSセダンを運転中にハンドル操作を誤り、3車線を突っ切って街路樹に衝突したという。
車両は炎に包まれ、Awanの遺体は車外に出された時点で、激しく損傷していたという。捜査官らは事故原因が車両の技術的欠陥によるものか、Awanが健康上の理由で車両のコントロールを失った結果であるのかを調査中という。
目撃者によると、車両は時速75マイル(約120キロ)から90マイル(約145キロ)で走行していたという。現地の制限速度は時速50マイル(約80キロ)だった。
「今回の事故は非常に痛ましい結果となった。関係するすべての方にお悔やみを申し上げたい」とテスラはEメールの声明で述べた。
「当社は現地の当局と連携し、事故原因の調査に協力している。今回の事故は速度超過が原因だったと考えている。速いスピードでの衝突事故は電気自動車に限らず、いかなるタイプの車両でも火災につながる」
ガソリン車が出火した場合、炎は一気に車を焼き尽くすが、EV(電気自動車)の場合は損傷を受けたバッテリーパックが長時間にわたり、複数回出火する。今回の事故でも、モデルSのバッテリーパックは衝突後に少なくとも3回、火を噴いたと現地メディアは伝えている。
テスラ車のバッテリーからの出火は以前から懸念事項だった。2013年には複数回、バッテリーからの出火が確認された後、テスラはバッテリーをより強固な金属製カバーで覆う対策をとっていた。
「炎上したバッテリーを完全に鎮火するには、最大で24時間を要する場合がある」とテスラの緊急対応マニュアルには記載されている。
「バッテリーの再発火からの被害を避けるため、火災や水没により高出力バッテリーが損傷を受けたとみられるモデルSは、屋外で周囲から最低15メートルの距離を置いた場所に置いておくことが望ましい」という。
テスラはまた、発火や煙の発生を確認した場合は、熱探知カメラを用いてバッテリーの温度を測定し、加熱や冷却状況を監視することを推奨している。