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2019.02.25

「泊まれる茶室」が4月にオープン 建築家が考えるカプセルホテルの可能性

提供:hotel zen tokyo


「スターバックス」を敬愛

「市中の山居」という言葉がある。茶室のあり方を捉えた表現で、都会の中に茶室という喧騒を忘れられる対比的な空間を作るという意味だ。かつて「茶室」を研究した各務としては、こうした思想から「ホテル・ゼン・トーキョー」を都会に出店しようと考えた。

しかも、人形町は歴史的にも日本の交通の起点である日本橋からほど近く、現代においても空港へのアクセスが良く、渋谷や六本木、築地といった主要都市への利便性が高い。こうした立地から、外国人観光客をターゲットにしつつ、出張時の法人利用にも利便性の高いホテルといえる。


提供:hotel zen tokyo

今後はここ人形町を起点に店舗数を拡大していく計画だという。「まずは大都市への出店を狙いますが、都市によって、今回のようなカプセルホテルが最適解かどうかはわかりません。実際に東京・京都・大阪などで出店打診があって調整を続けていますが、カプセルではない部屋のスタイルも立案・検討しているんです」と各務。今後は場所ごとの最適解を模索しつつ、20店舗〜50店舗と展開していきたいと意欲をみせる。

参考にした企業やブランドを聞くと「『スターバックス』を敬愛しています」と答える。「国が変わっても安心できる同じクオリティーを維持しながら、ローカライズメニューなども欠かさない。スタバを起点に行動が変わるほどで、今では都市計画の一部ともいえる影響力を持つブランドです」。実は、各務の熱量によって、元スターバックスコーヒージャパンCEOの岩田松雄氏を取締役に招へいしたほどだ。

「『極小空間』は東京に限らず、世界の大都市の課題解決に対応できるポテンシャルを秘めています。茶室は狭いことに意味がある空間。機能的にもコンセプトとしても、世界に通用できるブランドになりうるんです。マインドフルネスや禅が世界的なトレンドでもあるので、僕らは日本発のグローバルブランドを目指したいと思います」。

文・写真=角田貴広

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