ドローンがラーメンを運ぶ? Slush Tokyoで「未来を感じた」サービス3選

東京ビッグサイトで開催されたSlush Tokyo 2019にて

東京ビッグサイトで2月22日、23日の2日間にわたり、スタートアップの祭典「Slush(スラッシュ)」の日本版「Slush Tokyo 2019」が開催されている。

世界各国から集まった起業家・投資家のプレゼンステージが注目されがちだが、同時に会場には、企業によるデモブースも数多く出展されている。

その中から、この記事では3つをピックアップ。数年後にはユニコーン企業になるかもしれない注目企業を紹介しよう。

ラーメンも運べる、ドローンの新たな「カタチ」

数年前から個人での使用も増え、新機種が次々と登場するドローン業界。中国の「DJI」やフランスの「Parrot」などが有名どころだが、彼らが急速にアップデートし続けているのは、あくまでドローンを制御するソフトウェアの部分。

実は、ドローンの機体部分は大きく変わっていない。その中でドローンの「ハードウェア」を開発するのが、日本で2017年に創業した「エアロネクスト」だ。

通常のドローンが横に長いのは、四隅についたモーターで姿勢を制御しているから。強い風が吹いた際には風下側のモーターが回転力を上げて浮力を高め、姿勢をキープしている。



一方、エアロネクストのドローンは、ドローンの中心にある縦棒を軸とした「貫通ジンバル構造」が特徴。ジンバルとは一眼レフカメラのブレを抑えるためにも採用されている回転台のことで、ドローンの姿勢を水平に保ちやすくしてくれる。

エアロネクストのドローンは、どんぶりに入ったラーメンを汁もこぼさずに運ぶことができるという。また、ジンバルの搭載によってモーターの消費電力量も減るので、飛行継続時間やモーターの耐用年数も向上するそうだ。アマゾンがドローンでの宅配実験を行うなど、物流手段としても注目されるドローン業界にとって、エアロネクストのNext VRは次世代ドローンの標準形になりうる存在かもしれない。

外に出て動画を撮りたくなる、究極の自撮りガジェット

キックスターターで約6400万円の支援を受けた韓国発の人気プロダクトが、日本に上陸。現在、日本でクラウドファンディングを実施中の「Pivo(ピーボ)」は、スマホに装着するだけでカメラを大幅にアップグレードしてくれるデバイスだ。

ムービーを撮影すると、認識した顔やオブジェクトを追いかけるようにPivoがスマホごと回転。広く距離を使う動画でも、ブレずに撮影できるようになる。



ほかにも、バラバラに撮った自分の写真を同時に表示できる「ManyMe」など12種類の機能を搭載。クラウドファンディングには、9900円から参加できる。

インパクトのある動画・写真を手軽に撮影できるPivo。普段の撮影が楽しくなるだけでなく、YouTuberなど個人で活動しているクリエイターにも大きなインスピレーションを与えてくれそうだ。


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文=野口直希

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