フリーライター/エディター


監視カメラの問題点を解消。歩いた軌跡がわかるサービス

Slush Tokyo 2019には、日本の大企業によるベンチャープロジェクトも多く出展している。100年以上の歴史をもつ東洋インキグループの中核事業会社として粘着剤などを手がけるトーヨーケムも、そのひとつだ。

彼らが開発した「Fichvita(フィッチヴィータ)」は、センサーの上に人が乗ると、瞬時に体重や歩いたルート、速度を検知してパネルに表示するサービス。



コンビニに設置すれば客がどういうルートで店内を歩き、どの棚の前に立ち止まったかなどの行動経路がわかる。ほかにも、老人ホームで一定時間動かない人を感知させることで倒れている人を早期に発見するなど、想定される用途も豊富だ。

人の動きを監視・記録するサービスには、これまで赤外線カメラなどの映像を使ったものが多かったが、記録データの容量がかなり重い上に、全身像が映るためプライバシー問題に繋がりうるなど課題も少なくない。また、あまり広くない場所だと死角が生まれてしまうため、日本のコンビニなど狭い場所では使いづらい。

Fichvitaは、こうした問題を解決してくれる。人の動きを記録するという点では同じでも、映像による記録ではないので画像は残らず、死角も生まれないからだ。

もしかしたら、将来は街中の監視センサーがセンシングパネルに変わっているかもしれない。

大企業が未来を模索する「実証実験」としてのSlush Tokyo

スタートアップの祭典として知られるSlushだが、今回のSlush Tokyo 2019には大企業からスピンアウトしたベンチャーや、大企業の新規プロジェクトからの出展も多かった。

その中には、Fichvitaのように日本社会の課題にフォーカスすることで、海外企業とは違ったニーズを獲得しようとしているものも少なくない。また、既に完成しているサービスの認知度を高めようとする海外企業に対して、日本企業は会場でたくさんの意見をもらいクオリティを高めるための実証実験の場としてイベントを活用していた印象だ。

Slush Tokyo 2019のテーマは、「Call for Action」。日本の大企業が、新たな行動を始めていると感じられたブースだった。

文=野口直希

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