カルティエのクォーツとエルメスのムーンフェイズと|SIHH 1日目

エルメス アルソー ルゥール ドゥ ラ リュンヌ


そして、エルメスである。今年は月をテーマにした「アルソー ルゥール ドゥ ラ リュンヌ」を発表。それは“ウォッチメーカー”として、エルメスの力量を十分に示したものであった。

まず目につくのが、時間と日付が表示されたスモールダイヤル。これが浮いたような状態になっているのだ。それが独自開発のモジュールによって可動(59日で1周)することで、その下に描かれている月の満ち欠けが表現されている。独創的なムーンフェイズ・ウォッチである。

2つの月はマザー・オブ・パールで描かれ、6時側(下部)が北半球から見た、12時側(上部)が南半球から見た月面となっている。さらに、12時側の月にはペガサスが。これはエルメスの原点にちなんだもの。地球から見た宇宙を見事に表現した1本である。


エルメス アルソー ルゥール ドゥ ラ リュンヌ [自動巻き、18KWGケース、43mm径、320万円 問:03-3569-3300]

この日最後に見たのが、ピアジェ。ドレスウォッチの定番「ピアジェ アルティプラノ」のダイヤルにメテオライト(隕石)を使ったモデルが登場した。

このダイヤルは、隕石を薄くスライスしたもので、独特の風合、色彩は、表面にコーティングを施すことでつくりだしている。また、隕石の模様はカットする場所によって異なるので、線の入り方に2つと同じものはない。全てに一点モノの価値があるのだ。グレーメテオライトダイヤルの落ち着いたカラーとピンクゴールド製のケースは相性もよく、落ち着いたモデルに仕上がっている。

さらに、2針の「ピアジェ アルティプラノ」には珍しく、3時位置に日付表示が設けられているのも特徴的である。搭載のムーブメントは、2017年に導入されたマイクロローター式自動巻きCal.1203P。自動巻にして、ケース厚6mmという薄さを実現。“アルティプラノ”らしいエレガントな仕上がりとなっている。


ピアジェ アルティプラノ [18KPGケース、自動巻き、40mm径、305万円(世界300本限定) 問:0120-73-1874]

文=福留亮司

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