ビジネス

2019.02.24 08:00

スマホで鍵を受け渡し。次世代ロッカーの「SPACER」が三井住友海上キャピタルから資金調達

「SPACER」が手がける、スマートフォンでの鍵の受け渡しができる次世代ロッカー

スマートフォンで開け閉めする受け渡しロッカーを展開するSPACERは三井住友海上キャピタルが管理・運営するMSIVC2018V投資事業有限責任組合を引受先とする第三者割当増資を実施した。 調達額は非公開。

SPACER(スペースアール)の概要としては、スマホでロッカーを開け閉めできて、しかも「ロッカーの鍵」をスマホ上で送信できるというもの。彼らの言葉で表現をするならば次世代ロッカーである。

カギは、スマホで手に入れ、スマホをかざして閉める。このカギはスマホ上で送受信できる電子キーなので、このスペースアールを使って「荷物の受け渡し」も可能となる。



たとえば、「渡したいモノがあってお互い近距離にいるけれど、時間がなかなか合わない。かといってこの近距離で高い配送料はかけたくない。梱包作業も面倒」そういった場合には、「近くの駅のスペースアールに荷物を置いておくから受け取っておいて」と、専用アプリでメッセージとともに電子キーを送ればOKというシステムだ。

実際に受け渡しをしてみたユーザーからは、「ちょっとした受け渡しにいちいち会う時間を決めなくていいのはいい」といった声や、待ち合わせに遅刻した人への渡し物を待たずに解決できたことなどがあった。昼夜逆転の仕事をしている人にとっても助かっているという実例があり、物を渡すということが自分の生活に影響を与えないメリットがある。

スマホで開け閉めする受け渡しロッカーSPACERは、現在プロダクトマーケットフィットを完了。全国で100カ所、600ボックス以上を設置・展開している。SPACERの稼働状況は、多い箇所で月140回を超えており、荷物の一時保管や家族友人間の荷物の受け渡し市場を開拓してきている。今後は、引き続きSPACERの設置エリアを拡大。そして、ラストワンマイル問題を解決するパートナー企業との連携を順次公開していく予定だ。

SPACERによる小売店舗や地元倉庫からの当日・安価な24時間の匿名受け渡しなど、アナログではできなかったことをテクノロジーの力で解決。このSPACERがさらに広まっていくと、ロッカーという立ち位置がこれまでより柔軟なものになっていくだろう。

彼らは次世代の物流のあり方を模索していく。

取材・文=礒嶌まどか 写真提供=SPACER

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事