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Douglas Pfeiffer / Shutterstock.com

ブラジルのフィンテック企業として近年、急浮上したのが「Nubank(ヌーバンク)」だ。2013年にデヴィット・ヴェレスが設立したNubankは、ブラジルで500万枚以上のクレジットカードを発行し、同社のデジタル銀行サービスは250万人以上に利用されている。

Nubankは2018年10月、中国のテンセントから1億8000万ドル(約200億円)を調達したが、その際の評価額は40億ドルに達したと報じられた。ブラジルで最も有名なユニコーン企業の1社にあげられる同社の出資元には、セコイア・キャピタルやKaszek Ventures、Tiger Global Managementらの名前が並んでいる。

Nubank創業者のヴェレスはコロンビア人で、事業を立ち上げた当初は、外国人の起業家が、現地の銀行などの伝統的企業に勝てるはずがないといわれたという。

ヴェレスはNubankが成功を収めた要因の一つに、銀行サービスよりも先に、クレジットカードサービスの提供を始めたことをあげている。「得体の知れない企業に、大事なお金を預けたいと思う人は少ない。しかし、クレジットカードサービスなら知名度のない企業でも利用者を伸ばせると考えた」

Nubankが事業を拡大する上で、ブラジルの銀行が発行するクレジットカードの手数料が高いことも追い風になったという。Nubankのカードは無料で利用可能だが、同社は支払いを受け取った企業がNubankに支払う手数料や、カードローンにかかる金利を収益元としている。

ブラジル経済はここ数年、非常に厳しい局面を迎えているが、その状況下でもNubankは利用者を伸ばし続けている。ヴェレスによると、ブラジルには銀行口座を持たない人が約6000万人存在し、彼らに金融サービスへのアクセスを与えることでNubankは勢力を拡大した。

ブラジルのフィンテック領域には今後、アマゾンやフェイスブックなどの大手が参入することも予想されるが、Nubankには現地の先行企業としてのアドバンテージがあるとヴェレスは述べる。

「今後の20年から30年先を考えた場合、Nubankは非常に良いタイミングで事業をスタートできたと思う。市場のリーダーとしてのポジションをキープするために、常に顧客のことを第一に考え、イノベーティブであり続けたい」

ブラジルのフィンテック領域の先駆者として、Nubankは現地の金融当局と理想的な関係を築けた点も強みだとヴェレスは話した。2018年1月にNubankは、ブラジルの中央銀行から消費者向けローンを提供する正式な許可を取得した。

「金融当局は今後、フィンテック領域で過当競争が起きることを懸念している。当局と連携をとりつつ、この分野に適切なルールがもたらされることを期待している」とヴェレスは続けた。

編集=上田裕資

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