「疲れない歩き方」をマスターすれば、カラダも思考もよく巡る

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私は、日々、健康にまったく関心がない人に健康的な行動をしてもらう方法を考えていますが、今回はそのなかで、歩くのが嫌いな人の歩数を増やす方法について、実際に自分が携わった具体的なエピソードとともに紹介します。

まず、歩くのが嫌いな人というのは、「歩くと疲れる」と考えている人が多いです。そして、そういう人はたいてい歩き方が不自然で、必要以上に体に負担をかけているため、疲れやすくなっていると言えます。

ということで、そうした人たちに最も有効なアプローチは、「疲れにくい歩き方」を知ってもらうこと。そのうえで、歩くことの楽しさと価値を伝えるという流れが効果的でした。

不自然な歩き方の代表例を3つ挙げてみます。

1. ブレーキをかけてしまう歩き方
2. 上半身と下半身の動きが噛み合っていない歩き方
3. 積極的すぎる前のめりな歩き方

1の歩き方は、足を前に出す際に膝の曲がり方が大きいため、太ももがブレーキをかけるような動きになるうえ、膝下の長さを活かせず歩幅も狭まります。ハイヒールを履く機会が多い女性によく当てはまる歩き方です。歩くたびに太ももに過剰な負荷をかけているので、とくに激しい人の場合は、太ももの強化トレーニングをしているように見えることもあります。


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2は、スーツを着ている男性に多い歩き方です。肩周りの動きが小さくなることで、上半身と下半身の動きの連動がうまくかず、上半身の腕振りによる推進力が活かしづらいのがもったいないところです。肩周りが動けば血流もよくなります。

3は、アグレッシブな人によく見られます。早く歩こうとするあまり、脚を勢いよく動かすことで足首やふくらはぎなどに過度な負担がかかります。これは私自身でも、慌ただしい毎日を送っていると、うっかり陥ってしまっているので、より丁寧に急ぐよう気をつけています。

歩くことで手軽なエクササイズを

では、これら3つの不自然な歩き方を、どのようにして疲れにくい歩き方に変えていけばいいのでしょうか。思い当たる人は、試しにからだの2箇所だけ意識してみてください。頭と腰です。

まずは頭の位置をできるだけ高くするように意識します。次に腰を前に出すように意識すること。すると、足が膝ではなく、腰につられて前に出るようになります。試してみるとわかりますが、重心が上がり、腰が前に出ることで、膝下は自然に地面に落ちるようになります。また、頭を上げることで躍動感も出てくるので、腕も振りやすくなり、効率よい動作になります。


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文=平井孝幸

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