今の仕事が「心地よい」と感じるなら、それは大きな転機かもしれない

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これからは職場の多国籍化やダイバーシティがますます進み、「あ・うん」で済む習慣は急激に消滅していくと予想できる。そんな時代に重要になってくるのは、「適応力」──アダプティブチャレンジ、アダプティブアジリティと言われる資質。すでに備えている知識やスキルを、いかに相手に合わせてアレンジしていけるかである。

よく転職直後に「これまでのスキルをまったく生かせない」と悩んでいる人がいるが、おそらくそれは違う。自らが持っているスキルを、相手に合わせてアレンジする工夫をこらすだけで、きっと状況は好転すると思う。

そして、この適応力を磨くための最も効果的な方法の一つが、“越境体験”なのだ。私自身も、早稲田大学の現役時代に蹴球部のキャプテンをした後、イギリスに留学し、帰国後は日本の企業でサラリーマン生活を送った。その都度、自分をゼロリセットするような挑戦だったが、だからこそ適応力を鍛えられたと感じている。

最近では、スポーツコーチの育成論でも、異なるレベルでの指導経験を重ねる「ジグザグ型キャリア」が推奨される傾向にある。

転職に限らず、異動もまた“越境”のチャンスかもしれない。できるだけ、今まで出会ったことのない相手に出会おうとする。発想を思いっきり変えてこれからのキャリアを描いてみると、いくらでも可能性が広がるはずだ。

連載:自分自身の育て方
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文=中竹竜二 構成=宮本恵理子

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