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国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」


今回注目すべき特徴の1つは、新しいサスペンションだ。初採用された新型ダンパーは前輪では伸び側を、後輪では縮み側の減衰を、それぞれ長めの追加スリーブで二重構造とした油圧ダンピングシステムによって制御するという仕組みだ。

というと複雑に聞こえるが、つまり、ボディの浮上を抑えるダンパーがついているので、道路のウネリでダンパーが縮んだ時に、その撥ね返そうとする力を上手く吸収して上下動を穏やかにし、走りをよりフラットにしてくれるということ。乗り心地は固めと快適の間ぐらいといえよう。

そのおかげで、スタアリングの重さは適度だし、正確でピンポイントだ。これは間違いなく、BMWが得意とする「ドライバーズカー」と呼んでいいだろう。いや、この新330iは、ここ10年の中で最もハンドリングに優れた3シリーズだね。Mスポーツという特典と電子制御のセンターデフもついているので、後輪に伝わるパワーは好きなだけ使える。

さて、エンジンだ。繰り返して書くけど、日本で最初に試乗させてくれた仕様は直6ではない330i。遅れて導入予定の320dもあるけど、トップバッターとして上陸してきた330iには、258psと400Nmを叩き出す4気筒2Lターボを搭載しているので、クラストップのパワーだ。

充分すぎるほどの加速性の持ち主なので、街並みでも高速道路でも、いつアクセルを踏んでも微笑みが溢れる。2000回転からトルクがジワジワと発生し、シフトショックのない8速のA/Tとは完璧なマッチング。つまり、スポーティで楽しい運転に欠かせない手応えのあるハンドル、ボディロールの少なさ、アクセルとブレーキペダルのちょうど良い剛性とフィーリング、それにエンジンパワーの出方、この車の走りは申し分ないと思う。しかも、あのBMWのメタリックで乾いたようなエキゾーストノートは、たまらない。



内装はさりげなく変化した外観とは一変。インテリアは確かにデザインがスッキリして、質感も上がり、ディスプレーも操作性も向上した。シックではあるが、アウディやベンツを超えるなら、もう少し温かみが必要かな。

Mスポーツ仕様にこれだけついて、スポーティな走りが約束される3シリーズが632万円という価格は上等だろう。あなたが3シリーズのファンなら、きっとこの7代目と恋に落ちるに違いない。

連載:国際モータージャーナリスト、ピーターライオンの連載
「ライオンのひと吠え」過去記事はこちら>>

文=ピーター ライオン

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