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Deputy editor for Industry; eyes on the skies

Jag_cz / Shutterstock.com

航空業界の関係者の多くは、十分な航続距離を持つ電動の旅客機が実現できるのは、今から少なくとも10年後の事だと考えている。しかし、イスラエルのスタートアップ企業「Eviation」は今年中にも、そのコンセプトが実現可能であることを示そうとしている。

Eviationは今年6月のパリの航空ショーで、9人乗りのバッテリー駆動の電気飛行機のプロトタイプを公開予定だ。現在35名の従業員を抱える同社は2月20日、米連邦航空局の認定取得に向けて約2億ドル(約220億円)の資金を調達し、高出力の電動モーターをドイツのシーメンスから調達するとアナウンスした。

調達資金のうちの一定額は、シンガポール在住のリチャード・チャンドラーの投資ファンドClermont Groupからもたらされた。ClermontはEviationの株式70%と交換可能なコンバーチブルノートを7600万ドルで取得したことが、1月3日付けの米証券取引委員会への提出書類で確認された。

Eviationがターゲットとするのは、北米の500マイル以下の短距離旅客輸送の市場だ。同社の社名の由来は航空機製造のaviationの頭文字のAを、電動を意味するEに置き換えたものとされる。

近年は様々なスタートアップが、垂直離着陸が可能な電動飛行機のプロトタイプを発表している。しかし、Eviationは既存のプロペラ機とさほど変わらない構造の機体で、当局の認証を迅速に取得し、いち早くビジネス化に乗り出したい意向だ。

米ワシントン州に本拠を置くZunum Aeroも類似したアプローチをとっている。しかし、ボーイングが出資するZunumが計画する機体は石油燃料を併用する、ハイブリッド方式の電動航空機となっている。

Eviationは「Alice」という名前の最大9人乗りのビジネス・コミューター機を開発中で、最大速度は時速約450キロ、最大飛行距離は約965キロという。同社によると、Aliceは従来の航空機に比べてメンテナンスコストを大幅に削減でき、同程度の搭乗キャパシティのターボプロップ旅客機の半分の費用で運航が可能になるという。

「当社の機体は、航空業界に大きな革新をもたらすことになる」と、EviationのCEOのOmer Bar-Yohayはフォーブスの電話取材に応えた。Aliceは現在の小型旅客機市場の主流である、セスナ208キャラバンや、ビーチクラフト・キングエアに置き換わる存在となるという。

Eviationは昨年のパリの航空ショーで、Aliceの3分の1スケールのプロトタイプを披露した。その機体はテール部分に主力プロペラを搭載し、両翼に2つの小型プロペラを装備していた。

翻訳・編集=上田裕資

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