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[改訂新版]人間性の心理学 モチベーションとパーソナリティ
A.H. マズロー (著)、小口 忠彦 (訳)
産能大出版部 5,400円+税/551ページ

◎A.H.マズロー
1908年、ニューヨーク州ブルックリンに生まれる。ウィスコンシン大学卒業後、同大学及びブランディス大学で心理学の教授を務める。1962年~63年アメリカ心理学会会長、1970年没。

大賀康史 株式会社フライヤー代表取締役CEO

私は本の要約サイト「flier(フライヤー)」を起業・運営し、毎月30冊程度の優れたビジネス書およびサイエンス書を、1冊10分で読める要約形式で紹介しています。私自身も、1日1冊のペースで読んでいますが、多くの本を読むなかで感じたことは、派生本が多い書籍こそ、「原著」を読むべきだということです。なぜなら、新しいコンセプトを提示した本人にしか伝えられない、理論的背景や“思い”が原著には込められており、その理解をしてこそ本当の意味で使える知識になるからです。

 今回、紹介する、世界的に著名な心理学者として知られるA・H・マズローの『人間性の心理学』はまさにその典型だといえます。5段階からなるマズローの欲求段階説について聞いたことがない方はいないでしょう。よく解説されるのは、人間は低次の欲求から高次の欲求という流れで、欲求を満たしていくということです。それは低次の欲求から順に、①食欲・睡眠欲・性欲などの「生理的欲求」、②安全・安定・保護などの「安全の欲求」、③友人・恋人・妻・子供などに関わる「所属と愛の欲求」、④自己に対する高い評価を求める「承認の欲求」、そして⑤「自己実現の欲求」、に至るものです。

 しかし、それだけでは見えないことが本書には描かれています。たとえば、5段階目の「自己実現の欲求」とは、「何か大きなことを成し遂げる」ではなく、著者の言葉では「自分自身の本性に忠実である」を意味しています。

 また、5段階欲求は、低次のものを100%満たしてから次に移るものではありません。標準的な人では、生理的な欲求を85%、安全の欲求を70%、所属と愛の欲求を50%、承認の欲求を40%、自己実現の欲求を10%満たしているのだそうです。この説明を知らなければ、自分自身をまったく誤って認識することになりかねません。
 さらに、人間本来の欲求には、上記の5段階に属さないものもあります。具体的には、人間には真の知識に対する認知的欲求(好奇心)と、理解に対する認知的欲求(哲学的、理論的、価値体系樹立の説明欲求)の2つが本来的に備わっています。そのほかにも、美・調和・完成などに対する審美的欲求も存在しているといいます。この事実を踏まえれば、人間の本質的欲求を満たすためには、5段階の欲求を知るのみにとどまらず、より視野を広げて考えるべきなのです。

 このように著者の本来の主張に沿った本質的な理解のためには、原著に触れることが最良の方法だといえます。ぜひ皆さまには新しいコンセプトに出合うたびに、原著に戻ることをお勧めしたいと思います。


本の要約サイトflier http://www.flierinc.com/

 

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