写真提供=メルペイ
データ活用で店舗の商品開発・販促をサポート
一方で、今回の発表では加盟店にとっても「使える・使われる決済サービス」であることを強調した。月間利用者数1200万人の顧客基盤を持っているメルカリ。利用者の多くはすでに売上金を保有しており、その売上金が入金・チャージの手間なく、そのまま使えるため日常的な決済方法のひとつとして利用されやすい。
特に、給料をそのまま入金するのと違い、使わなくなったモノを売った臨時収入であるメルカリの「売上金」は、手離れのいいお金として手軽に使ってもらいやすいという。
加盟店へのサポートとして、今回発表された内容は以下の通りだ。
初期導入費・固定費は無料、データの活用も
店舗導入にあたって初期導入日・固定費は0円。また、決済手数料はずっと1.5%を維持するなど、クレジットカードサービスなどに比べても手軽な導入コストで加盟店はメルペイを利用できる。
また、今後はメルカリ内、そして加盟店での売り上げデータをもとに、加盟店の商品開発・販促のサポートにも進出するという。例えば、周辺地域のメルカリや店舗での購買履歴から売れ筋になりそうな商品を予測、ポイントやクーポンを配信するなどの活用が可能だ。
写真提供=メルペイ
これだけ多様なスマホ決済サービスが登場すると、どのサービスが、どのお店で使えるのかどうか、利用者はよく分からなくなってします。日本でキャッシュレス社会を実現するためには「どのお店でも使える」ことが大事だと言い、メルペイは業界を超えて、さまざまな企業とパートナーシップを結んでいくという。
今回の発表会で明かされたパートナーは三井住友カード、ジェーシービー、KDDIの3社。三井住友カードとの提携によって「iD」加盟店でメルペイが利用可能に。ジェーシービーとの提携によって3月中旬からJCBのコード決済加盟店でメルペイを利用可能になる。
KDDIとの提携は、同社が提供する「au PAY」と協力してスマホ決済サービスにおける店舗開拓を進めるためのものだ。
そのほか、神奈川県、鎌倉市、岐阜市、神戸市、仙台市、千葉氏、福岡市、箕面市との提携が決定。リサイクルや起業家支援、国家戦略特区など、各自治体の取り組みにキャッシュレスを掛け合わせることで、キャッシュレス社会の実現を目指していくという。
メルペイにも「あと払い」を導入 メルカリ流の信用を創造
メルペイ代表取締役の青柳直樹
最後に、青柳からメルペイの長期的な方針が発表された。メルペイでは「信用を創造して、なめらかな社会を創る」をビジョンに掲げ、これから金融やシェアを含めた、お金にまつわる様々なサービスを提供していくという。
「メルカリ・メルペイの使用データをもとに、これからはユーザーに新たな『信用』を生み出します。例えば、いつも丁寧に取引したり、きちんと期日を守ったりするユーザーには高評価が付与され、これをもとに手元にお金がなくてもやりたいことを実現できるようにしたいです」(青柳)
写真提供=メルペイ
その一例が、メルカリですでに提供している「月イチ払い」だ。これはメルカリでの支払いを翌月払いに先送りすることで、手元にお金がなくても買い物を楽しむことができるサービス。2019年春頃には、これを「メルペイあと払い(※)」としてリニューアル。加盟店での決済でも同じように後払いできることを目指すという。
※これまで「メルカリ」内で提供してきた「メルカリ月イチ払い」を、「メルペイあと払い」に名称変更し、「メルカリ」外の店舗での決済にも利用可能範囲を拡大する。
「私たちにとって、キャッシュレスの普及は目標のための足がかりに過ぎない。私たちが目指す『なめらかな社会』とは、一人ひとりがいまより自由に、平等にお金を使える社会。『信用』によって、欲しいものを手に入れることができ、やりたいことを実現できるようになるのが理想ですね」