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ポッシュマークCEO マニーシ・シャンドラ(写真=ティモシー・アーチボルド)

メルカリのライバル、ポッシュマークはいかにして古着専門のフリマアプリから脱却し、約4000万人が利用する、680億円のファッション市場になったのか。


ルイ・ヴィトンのベルトとトミー・バハマのドレスシャツ。足元に合わせているのはアディダスのNMDスニーカー。

インド生まれのマニーシ・シャンドラ(51)は、いかにもシリコンバレーのエンジニアからファッション系アプリのCEOに転身した人物らしいいでたちをしている。どれもソーシャルショッピング・アプリのポッシュマークで購入したものであり、シャンドラはその共同創業者である。

「最初の就職先はインテルで、セミコンダクター用のデータベースを構築していましたが、今では人が靴を売る手伝いをしています」とシャンドラは言う。「30年かけてそんなキャリアをたどることができるのは、シリコンバレーだけですね」。

ポッシュマークは7年前、女性がクローゼットにある不用品を売って収入を得るツールとしてスタートした。いわば中古衣類専門のイーベイだ。しかし、いまやそれ以上の存在になりつつある。新品の衣料品も扱っており、独自の卸売市場を持つほか、ポッシュマーク生まれのファッション起業家も自分のアパレル商品を販売している。

ポッシュマークは4000万人が参加する、インフルエンサーと友人が入り交じったSNSであり、インスタグラムやピンタレストに近いアプリである。違いは、目にするもののすべてが売りに出されているという点だ。アマゾンのように商品を検索して買うのではなく、モバイル上でウィンドウショッピングをするような感覚の購入体験を提供する。

ユーザーは、互いの仮想上のクローゼットをフォローし合い、興味を引いた商品をシェアする。クローゼットは多くの場合、中古品と卸値で購入されたさまざまな新品の「ブティック品」を取り交ぜた構成になっている。4000万人のユーザーのうち、12.5%に相当する約500万人は出品者でもある。同社は、商品の在庫を一切保管していない。販売はユーザー同士が直接行う。

同社は20%の販売手数料を徴収しており、2018年の収益は1億4000万ドル(約154億円)に達する見込みだ。従業員数が3000人を超える同社は、未だ利益を上げるに至っていないが、メンズファッションやコスメ商品といった新たな商品分野へのさらなる事業拡大と海外進出(最初はカナダになる予定)に力を注いでいる。

ポッシュマークは、6000億ドルの米国Eコマース市場の小さな一片の、そのまたほんの一部を占めているに過ぎない(約6.25億ドル)。しかし、低価格の衣料品に対する需要は非常に大きい。全米小売連盟によると、実店舗では買い物客の10人中9人がディスカウントストアで商品を購入しており、75%は特に衣料品をディスカウント価格で探しているという。オンライン小売市場は四半期ごとに40億ドル成長している。

シャンドラのアイデアの根幹にあるのは、新しいファッションを紹介したいなら、ブランドではなく人間を通じてアピールするべきだという、ポップカルチャーマニアとしての考え方だ。「51歳の男であるわりには、私は思いのほかポップカルチャーに通じていると思いますよ」とシャンドラは言う。「ドレイクの新曲の歌詞は言えるかもしれませんが、企業向けソフトウェア業界でいま何が起きているのかは恐らく言えません」。

文=ビズ・カールソン 翻訳=木村理恵

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