創業者は誰しも、起業のプロセスで自己不信や未来についての不安を感じるときがある。これは避けることができないものだ。一部の起業家はこうした難しい時期を耐え抜くが、多くはくじけてしまい、プロジェクトを無期限に棚上げにしたり会社自体を投げ出したりしてしまう。
自分や会社について明確で長期的なビジョンを持っておけば、どのような障壁に直面しても正しい方向に進み続けることができる。ビジョンは柔軟である必要があるし、おそらく起業のプロセスを通じて変化するだろう。しかし何があっても前に進むと心に決めていれば、克服できないような課題に直面したときも問題を乗り越えたり回避したりできる可能性が高くなる。
人生は旅のようなものかもしれない。多くの場合、スタートアップ創業者として心の平静を保ち進歩する上で大事なのは目的地に注目することだ。あなたの小さな企業が次に大きな課題に直面したときには、ここに挙げる3つのことを思い出そう。
1. アイデアではなく目的を指針とする
ビジョン実現に向け取り組む中で、必ずしも元々の事業アイデアにこだわらなければならないわけではない。どのようなことを達成しようとしているにせよ、達成方法はおそらく数え切れないほどあるはずだ。
「ピボット(方向転換)」という言葉はスタートアップ界で決まり文句になっている。世界で大きな成功を収めた会社の多くは、成功までの道のりのどこかでビジネスモデルを劇的に変化させている。ペイパルは、PDA(個人情報端末)の「パームパイロット(PalmPilot)」を使用する者同士で借用証書を送付できる技術を開発した会社、コンフィニティ(Confinity)として始まった。
同社の初期従業員の3人は、動画を使ったオンライン出会い系サービスを作るアイデアを基にユーチューブを立ち上げたが、同サイトがデートのきっかけとなったケースはあまり多くないだろう。また、書籍販売業者から世界で最も革新的な小売企業へと成長を遂げた企業は誰もが知っている。
起業家の大半は、自分に解決できる問題が見えることで起業を決意する。問題解決の試みは最初は失敗するかもしれないし、何度も失敗する可能性もある。しかし失敗を通して、正しい解決策を見つけ問題をより深く理解するためのデータを集めることができる。