男子限定クラブは廃止を 女子学生3人、米エール大を提訴

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人種差別がダメなら、性差別は許されていいのか?

男女別の社交クラブが問題である理由がまだ分からない人がいるのなら、こうした組織が性別ではなく人種で分けられていたらどうかを考えてほしい。大学の社交クラブに白人だけしか入れないとしたら、差別であることは明らかだ。人種による分離が許されないなら、性別による分離はなぜ許されるのか。これは明らかに差別的だ。

フラタニティーの性別制限撤廃により、性的暴行や性差別が減るだけでなく、性的少数者(LGBTQIA)の支援にもつながる。ジェンダーの境界線はあいまいになっており、自分は男性でも女性でもないと認識している学生は増えている。特定の性別を入会の条件にしないことで、こうした学生にも門戸が開かれるだろう。

性別による分離はソロリティーでも有害

今回の訴訟では問題とはされなかった点だが、私はソロリティーの男子禁制も疑問視されるべきだと考える。ソロリティーに所属する女性が性的暴行に及びがちだということはないが、男女の分離により、男女間の違いを実際よりも大きくとらえる考え方が温存され、異性は文字通り「異なる」存在であるとみなされてしまう。分離により、男女の橋渡しがされるどころか、男女間の違いが強調されることとなる。

エール大学は、男女を問わず、未来のリーダーを数多く輩出している。もし大学が女子禁制のフラタニティーをなくせば、こうしたリーダーたちが多くを吸収する時期である在学中に異性と交流する機会が増え、エール大学の威厳をさらに超えたポジティブなインパクトが生まれる。それは本人の人生、ひいては私たち全員に影響を与えるだろう。

編集=遠藤宗生

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