未知の景色と体験と 地球上でいちばん美しいサハラ砂漠への旅

砂漠をラクダで移動する


モロッコには5泊の滞在だったけれど、未知の景色と体験で、これほどに旅の醍醐味を凝縮して体感できる国はなかなかない。そして、何より滞在費用が安いことも驚きだった。

マラケシュ1泊→ワルザザート1泊→砂漠2泊→マラケシュ1泊。どこも、そこそこにいいリヤド、オーベルジュ、グランピングを手配していた。そして計1200kmも運転してくれた個人手配のドライバーさんや、かかった食事代など含めて、ひとり8万円しなかった。新婚旅行で行ったサファリツアーの10分の1だ……。

日本人が沖縄やグアムに行くような感覚で、ヨーロッパの人たちはモロッコに行けることが、とてもうらやましく感じる。



旅の伴奏は、自分だけのオリジナルがいいけれど、旅を供にするパートナーや友人とその伴奏が共有できると、より楽しい。たとえば、砂漠で一緒に見た美しい夕陽。この人と私が考えている心の沸き立っている想いや浮かんだフレーズは同じかもしれない、と想像するとより胸の奥がキュっと絞られる。恋に落ちたときのような感覚が味わえる。

日常生活で見聞きした小説や音楽を伴奏に旅に出て、それに旅の思い出をまぶしてもまた日常に戻ってくる。ひとりよがりのものの見方はしなかっただろうか。私の視座は、スプーンから油をだらだらと零すものだろうか、それともきちんと油を守っているだろうか、つねに自問自答はある。けれど、その繰り返しが、私にとっての幸せで、宝物なのだろうなあと思う。

連載:TOKYO女子力マニフェスト
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文・写真=鈴木麻友美

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