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植物由来の人工肉の先駆「インポッシブル・フーズ」の「インポッシブル・バーガー」

アメリカで急騰するフードテックの潮流。日本企業はなぜ、反応が遅いのか。日米の温度差の理由を、米先端企業に詳しい外村仁氏に聞いた。


いまアメリカでフードテックは5Gや自動運転と並んで最先端分野のひとつです。

1月にラスベガスで開催された、最新のテクノロジーが一同に会する国際見本市「CES」では、「インポッシブル・フーズ」社の植物由来のハンバーガーパティの新商品が発表され「本当の肉と見分けがつかない」と、多くのテックライターが絶賛しました。

「高くても地球環境に優しいタンパク質を提供したい」という高級レストランに、人工肉を卸していたインポッシブル・フーズが急成長をしたのは、最近のこと。

2年前には数店でしか扱われていませんでしたが、昨年末には5000店以上の外食店で同社の植物由来のパティを味わうことができるようになりました。

それよりも早くから支持されてきたのが、植物肉を販売する「ビヨンド・ミート」です。

環境への配慮をアピールする同社の製品は、動物由来ではない肉であるにも関わらず、高級スーパーであるホールフーズ・マーケットの精肉売り場で販売開始されたことで話題を呼びました。

同社はビル・ゲイツやレオナルド・ディカプリオが出資したことでも有名です。

アメリカでいまフードテックが注目されている理由の一つには、近年、着実に進行する「食事の意味の変化」に、「テクノロジー」を使って柔軟に対応しようとする企業が増えてきたからではないでしょうか。

有史以来、私たちが摂ってたのは「生きるための食事」でしたが、近年では、過食で病気になって亡くなる人も多くなっています。

一方、2050年に想定される地球上の全人口の消費カロリー量を満たすには、食糧生産量を60%以上も増やさなければなりません。

特にアジアやアフリカで急激に増加している中流層は肉や魚をよく食べるため、深刻な動物性タンパク質の不足とそれに伴う環境汚染が予測されています。

つまり、既存の大量生産や大量消費に代わる「食との関わり方」を模索しなければなりません。そこで食の先進国が注目しているのが、個人の健康にとっても地球環境にとっても「サステナブルな食事」なのです。

構成=フォーブス ジャパン編集部 写真提供=インポッシブル・フーズ

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