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最近では、卵を使わないマヨネーズ「JUST」をめぐって、「そもそもこれをマヨネーズと呼んでもいいのか」という議論が巻き起こりました。

フードテックを使った新しい食材の普及に伴って、食べ物の再定義が進んでいるのです。ところが、日本にはこうした情報が十分伝わってきてないように思います。

そもそも日本ではまだ、インポッシブル・フーズやビヨンド・ミートなどの人工肉が、「クールで先進的な分野」として捉えられてはいません。

大豆製の肉が入った商品が市販され、古くから精進料理として肉を代替する文化があるなど、日本は食についての意識も技術もあまりに先進的でした。

そのことが逆に作用してか、日本の大手食品企業には、「本当にフードテックは流行るの?」と懐疑的な反応をされてしまうこともあります。

僕は、この反応から、iPhoneが登場したときのことを思い出します。そのとき日本の大企業は表面を見て「技術的には特筆すべきものはない」と判断し、大きなトレンドを軽視してしまいました。

そして10年後には、日本の携帯電話メーカーは、スマホの開発・製造で韓国や中国の企業の後塵を拝し、あっという間に世界から取り残されてしまいました。

フードテックに対する取り組みも、携帯電話の二の舞になる可能性もあります。日本が今後も食文化において世界をリードする国であり続けるかどうかは、この数年の対応で決まるでしょう。           
                   
僕は、過去の資産に頼らない日本企業とともに、未来のために行動したいと思います。


ほかむら・ひとし◎ベイン & カンパニー、アップル社を経て、スイスの国際経営大学院(IMD)でMBAを取得。2000年、シリコンバレーにてGeneric Mediaを共同創業、近年まではエバーノートジャパン会長を務めた。現在サンフランシスコにてアーリーステージベンチャーへの投資に特化する「スクラムベンチャーズ」のパートナー。総務省「異能ベーション」プログラムアドバイザー、岡山大学起業家プログラムのエグゼクティブアドバイザーなど複数の肩書きを持つ。

構成=フォーブス ジャパン編集部 写真提供=インポッシブル・フーズ

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