米MLB球場「トロピカーナ・フィールド」が完全キャッシュレス化へ

タンパベイ・レイズの本拠地トロピカーナ・フィールド(Getty Images)


「ファンが徐々にキャッシュレス決済に慣れていけば、ギフトカード購入オプションを提供する必要性はきっと減っていくだろう」とフォークナーは予想する。「しかし、来場者がギフトカードの購入オプションを便利だと思っている限りは、継続していくつもりだ」

さまざまな決済方法に加え、キャッシュレス化に対応できない人にギフトカード購入オプションを提供しているのは、「フリクションレス体験」を作り出すことと、レジ待ちする人の列を解消することに焦点を当ててのことだ。

レイズの戦略・開発担当VPを務めるウィリアム・ウォルシュは、「当社は、リービーとの提携を始めてから、フードやドリンクの提供方法の見直しを含め、ファンが球場でよりよい体験ができるよう、毎年多額を投資してきた」と述べた。「今回のキャッシュレス化により、球場全体のサービスが迅速化し、レジ待ちの時間が短縮されるだろう」

スタジアムで進むキャッシュレス化

ほかのスタジアムでもここ数年、電子決済専用レジや、電子決済と現金の両方に対応したレジを設置するなど、キャッシュレス決済の試験導入が行われている。

今シーズンのNFL優勝決定戦「スーパーボウル」が開催されたアトランタの「メルセデス・ベンツ・スタジアム」でも、一部の売店では待ち時間短縮のために現金払いを受け付けなかった。同スタジアムはとくに、現金払いを今後も受け付けていくことを仮定して、売店で販売する商品にはこれまでも端数のない価格を設定し、釣り銭を出す時間を短縮してきた。

とはいえ、トロピカーナ・フィールドのように、完全キャッシュレス化に踏み切ったスタジアムはまだ存在しない。しかし、スポーツ業界で完全キャッシュレス化に踏み切るケースはこれが最後にはならないだろうとE15は考えている。

「トロピカーナ・フィールドは確かに、キャッシュレス技術の導入拡大という動きにおいて最先端を走っている」というフォークナーは、「E15は現在、ほかの複数の提携先とともに、ほかのスタジアムなどにもキャッシュレス化を導入できないか、可能性を探っているところだ」と明かしている。

2019年シーズン、タンパベイ・レイズは、2月のファン・イベントを皮切りに始動。本拠地での公式戦第1戦は3月28日で、「ヒューストン・アストロズ」と対戦する予定だ。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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