関連書100冊から見えてきた「ウエルネスな食事」の傾向

巷には「食」関連の書籍が溢れている


「身体に良い」は神話かも?! 考え直したい食品

一般的に「健康である」とされながらも、実はそうでもない、と多くの書籍で指摘されている食品をピックアップしてみました。

まずはヨーグルト。かなり健康志向なイメージが強いですが、その効果に対してのエビデンスはないというのが実際のところのようです。よく謳われる乳酸菌などは、取り入れても腸内には定着しないそう。ただし継続的に取り続けることで、少しは良い影響を及ぼすというような話はありました。

チーズも健康に良いイメージが強いですが、そもそも牛乳と同じくカゼインタンパク質が含まれているので健康的ではないという意見が多数見受けられました。肯定派の中ではナチュラルチーズやフレッシュチーズ(モッツァレラ、カッテージ、クリーム)は良い、熟成させたものは良くないなどという意見もありました。

フルーツは概ねどの書籍でも良いとされていますが、糖質が高く血糖値を上げやすいので食べ過ぎには注意が必要とのことです。ちなみに目に良いと広く知られているブルーベリーですが、実は確かなエビデンスはないようです。

卵は栄養価が高いという肯定派と、コレステロールが高いので良くないという否定派に分かれますが、1日1個程度なら良い、というのが妥当なラインではないでしょうか。

また、健康イメージの強い我らが和食については肯定派が多いものの、味噌、醤油、出汁や漬物などで塩分を摂りすぎてしまう傾向があるので、塩分量という面では多少注意が必要なようです。

気になるお酒とコーヒーの話

 

最後に、皆さん気になるであろうお酒とコーヒーについて。お酒については約65%が健康に対してネガティブな意見でした。理由は、がんや心筋梗塞、脳卒中などの疾患のリスクが高まる、日本人はアルコール耐性が低いなどという理由。良いという意見では、適量であれば心血管の病気による死亡率が下がるとのこと。

赤ワインについては、抗酸化作用があるなどという理由からポジティブな意見が多く、醸造酒ではなく蒸留酒(焼酎、ウイスキー、ウォッカ、テキーラ)は良いという意見もありました。血糖値の観点でいうと、お酒によっては上がらないので、ほどほどであれば問題ないという記述も見られました。比較的量を飲む方は、同じ量の水を一緒に飲むことで、血中アルコール濃度を下げるのがオススメのようです。

コーヒーは約70%が良くないという意見でした。ただし、こちらはコーヒーに含まれるカフェインが主な理由。カフェインは交感神経を一気に活発化させるため自律神経が乱れやすくなる、日本人はカフェイン耐性が低い人が多い、などという見解です。肯定派は心臓病や脳卒中、がんなどで死亡するリスクが低下したという研究結果などについて言及しています。

ちなみに缶コーヒーはコーヒー味の砂糖水なので良くない、精製された砂糖を何杯も入れて飲むのもNGとのことです。
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編集=Forbes JAPAN 編集部

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