ビジネス

2019.02.24 17:00

仕事に退屈した話を採用面接で尋ねるべき理由


ここで、この質問に対する実際の候補者の回答例と、こうした回答が示すことを見てみよう。

回答1「同じ部署で6年間働いた後、私の部署が担当していたあらゆる業務を一通りこなし、完了してしまいました。仕事はうまくこなしていましたが、大して新しいことを学べなくなりました。上司からは追加のプロジェクトや仕事が与えられず、当時は仕事に興味を失ってしまったように感じました」

この候補者の退屈さへの対処法は指示を待つことで、指示がない場合の代替策はない。優秀な人材は、より大きな目標を設定して新たな課題に取り組むことで退屈な状況を打開しようとするものだ。

回答2「1年の中で仕事があまりない時期があり、自分の目の前にある業務に集中し続けるのが難しいように感じました。その仕事を終えるのに十分な時間があると知っていたことが一つの問題でした。そこで私は忙しい状態を維持できるよう、こうした業務を迅速かつ正確に完了させ、上司に特別なプロジェクトや取り組むべき業務がないか尋ねようと決めました」

この答えからは、仕事が退屈になった候補者が少なくとも何らかの行動を起こしたことが分かる。特別なプロジェクトや業務がないか上司に尋ねたのはよいことだが、上司に自分独自の特別プロジェクトを提案していたら、より大きな評価を稼ぐことができただろう。

回答3「私の部署では消費者や企業からの請求をまとめ直していたことがあり、私の仕事の一つは長年蓄積された過去の報告書の整理でした。そのほとんどは古く、あまり役に立たないものでした。最初はこの業務がとても嫌でしたが、もう使い道がない報告書を捨てることがとても生産的であることや、一部の報告書を更新し役立つものにすることが会社の利益となり、チームの生産性向上に貢献すると考え始めました。私は新たな報告書の作成方法についていくつかアイデアを出し、上司と共有しました。一度この業務の利点が見えたことで、私はこれを興味が持てる自分のプロジェクトにすることができ、仕事をするため週末も出勤しました」

この候補者は良い面に目を向け、退屈になりかねない仕事にも情熱を注ぐ方法を見出している。優秀な人は“正しい”答えに誘導されなくても、退屈な状態を克服し仕事に熱意を注ぐようになった話を共有できる。

仕事で退屈することは必ずしも悪いことではない。優秀な人にとって退屈さはやる気の元となり、新たな仕事を始めたり、既存の仕事の価値を再考したりすべきという合図にもなる。次の面接では「仕事にあまり、あるいは全く関心が持てなかったときのことを教えてくれますか?」と尋ね、その答えを聞いてみよう。

翻訳・編集=出田静

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