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2019.02.25

「出会い系アプリ」は北米で頭打ち、南アメリカでは急拡大中

Tero Vesalainen / Shutterstock.com

ティンダーなどの出会い系アプリ市場の拡大は、米国やカナダでは頭打ちになりつつあることが判明した。

アプリ調査企業のLiftoffは昨年、広告経由で発生した世界の1500万件の出会い系アプリのダウンロード後の動向を調査した。その結果、北米において登録につながった率は11.23%で、2017年の65.8%から大幅に減少したことが確認された。また、購入やサブスクリプションの発生率も40%の減少となっていた。

この数値は、人々が以前と変わらず出会い系アプリのインストールを行っているものの、北米では登録や課金につながる率が低下していることを示している。

「北米においてティンダーの人気は既にピークに達したものと考えられる」とLiftoffのレポートは述べている。「世界で最も成熟化したアプリ市場である北米では、この分野の飽和化が進行している」

しかし、新興市場では出会い系アプリは右肩上がりの勢いだ。「ラテンアメリカのスマホユーザーたちは、モバイルでの出会いに費やす金額を急激に伸ばしている」とレポートは指摘する。

Liftoffによると、ラテンアメリカでの出会い系アプリのサブスクリプションや購入の発生率は昨年、約1万2000%の急上昇となったという。

地域ごとの出会い系アプリのエンゲージメント率(ダウンロードが課金に結びつく率)を見てみると、ラテンアメリカ市場では10.97%であるのに対し、欧州は2.93%、北米は2.45%、アジア太平洋地域は2.35%だった。

また、iOSユーザーとアンドロイドユーザーの課金率を比較した場合、iOSが2.81%だったのに対し、アンドロイドは1.69%だった。つまり、iOSユーザーのほうが課金に前向きであることが分かった。

さらに今回のデータでもう一つ興味深いのは、課金ユーザーの比率が、男女間でほぼ同一水準に近づいていることだ。Liftoffによると、女性ユーザーの課金率が2.02%であるのに対し、男性ユーザーの場合は2.17%となっていた。

出会い系アプリのエンゲージメント率は、男性が女性をわずかに上回っている。男性は女性よりわずかな数値ではあるがダウンロード率が高く、昨年と比べると課金率も上昇している。

「出会い系アプリの利用に関しては、男性も女性も課金に対して前向きな姿勢を見せつつある」とレポートは述べた。男女間の平等は、現代人の出会いに必須のデートアプリの利用においては、実現に近づいているようだ。

編集=上田裕資

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